日本の労働者の平均年収は『約420万円』(『https://career-picks.com/average-salary/nenshu-chuochi/』)といわれている一方で、中央値は『360万円』(『https://career-picks.com/average-salary/nenshu-chuochi/』)と低くなります。
 これは、飛び抜けた少数の高収入者が平均年収を引き上げていると考えられます。同時に平均年収より低い労働者が多いとも言えるのです。

 職業ごとに見てみても、平均年収より中央値が低いケースは少なくありません。行政手続を生業にする行政書士も例外ではありません。本記事では、行政書士の年収の中央値にフォーカスを当てていきたいと思います。

 

行政書士の平均年収

 行政書士の年収の中央値を見ていくまえに、平均年収に触れていきます。行政書士の平均年収は『600万円』(『https://xn--mcka6af0gwf8f.com/average-income/』)です。日本全体の平均年収より約180万円高いです。

 

行政書士の年収の中央値

 対して、行政書士の年収の中央値は、平均年収に比べどの程度下がるのでしょうか。
 日本行政書士会連合会連合会が出版している「月間日本行政2018年10月号」に掲載されている「平成30年行政書士実態調査集計結果について」というアンケートの調査データから、おおまかな中央値を算出することが出来ます。

 このアンケートでは4,388人の行政書士に対して、以下の質問をしています。

■年齢
■業務歴
■職業属性
■従業員数
■事業形態
■取り扱い業務
■年間売り上げ

 上記のうち、年間売り上げが参考になりそうだったので、それから行政書士の年収の中央値を算出してみました。同アンケートから年間売り上げを以下のように抽出します。

年間売り上げ 人数 割合(平成30年) 割合(平成25年)
500万円未満 3,415人 78.8% 78.0%
1,000万円未満 492人 11.3% 11.4%
2,000万円未満 230人 5.3% 5.0%
3,000万円未満 80人 1.8% 1.9%
4,000万円未満 35人 0.8% 0.9%
5,000万円未満 23人 0.5% 0.6%
1億円未満 36人 0.8% 0.7%
1億円以上 11人 0.3% 0.3%
未回答 16人 0.4% 1.2%
合計 4,338人 100% 100%

引用元:https://xn--mcka6af0gwf8f.com/average-income/#st-toc-h-2

  上記の結果から分かる通り、年間売り上げが500万円未満の人は、全体の8割弱に該当します。対して、年収5,000万円を超える高所得者が少数存在します。
 やはり、高所得者が平均値を引き上げて、行政書士の年収が600万円になっている事実が見て取れます。
 ともすれば、600万円は行政書士のリアルな年収とはいえないでしょう。

 このアンケートから見ると、行政書士の年収の中央値は400~450万円前後といえるでしょう。

 

中央値が低くても望みを捨ててはならない

 アンケート調査から導き出した行政書士の年収の中央値が400~450万前後という結果に、ショックを受けた方もいるのではないでしょうか。
 しかし一方で、希望の光になる以下の事実も見えてきたので望みを捨ててはなりません。

行政書士の10人に1人は年間売り上げが1,000万円以上

 これまでは中央値を見るために、人数の割合が多い年間売り上げが500万円未満にスポットを当てました。しかし、冷静に年間売り上げのデータを分析すると、10人に1人は1,000万円以上の売り上げがあることが分かります。

 無論、これは売り上げなので、経費等を差し引いた数字が年収になるため、実際は低くなるかもしれません。とはいえ、10人に1人に近い割合で、年収が1,000万円以上と言えるでしょう。

年齢が60歳以上の行政書士が全体の50%を越えている

 今回のアンケート調査では、もう1つ気になるデータがあります。それは以下の行政書士の年齢構成です。

年齢 人数 割合(平成30年) 割合(平成25年)
20~30歳 33人 0.8% 1.1%
31~40歳 347人 8.0% 10.2%
41~50歳 752人 17.3% 12.8%
51~60歳 776人 17.9% 20.5%
61~70歳 1543人 35.6% 37.2%
71歳以上 864人 19.9% 18.0%
未回答 23人 0.5% 0.2%
合計 4338人 100% 100%

引用元:https://xn--mcka6af0gwf8f.com/average-income/#st-toc-h-4

 上記のアンケート調査を見ると、61歳以上が過半数を占めています。ですので、20~40代で顧客を獲得出来れば、長い期間に渡って行政書士として生業を立てることが出来るかもしれません。

 

まとめ

 行政書士の年収の中央値は低いです。とはいえ、全ての行政書士が稼げないとは限りません。アンケート調査を見ると分かり通り、年収1,000万円を超えている人もいます。つまり、行政書士として稼げるどうかは、本人次第なのです。

 行政書士を目指している方、または既に行政書士になっている人にとって本記事が頑張るための糧になっていただけたら幸いです。