みなさんは転職活動の服装について、このように戸惑った経験はありませんか?
「『私服で構いません』と言われても、カジュアルな服装はNGなのでは?」
「スーツは何色がいいんだろう」
「リクルートスーツはおかしいかな?」
確かに新卒採用の面接では、リクルートスーツを着ていけば問題はありません。しかしながら、転職活動においてはそうはいかないのです。転職活動では、服装に明確な決まりがありません。そのため、何を着ていけばよいのか悩んでしまう方も少なくないでしょう。
そこで今回は、転職活動の面接に適した服装についてご説明させていただきます。
押さえるべき服装のポイント
転職活動の服装は、スーツだったり私服だったりと様々なパターンが想定されます。そんな中でも、共通して押さえるべきポイントというものがあります。
それは次の通りです。
ポイント➀清潔感
まず、第一に “清潔感”は必ず押さえておきましょう。清潔感があると「仕事を丁寧に行いそう」というプラスな印象につながります。しかし、スーツにシワがあったり、靴にほこりが被っていたりすると清潔感がありません。そして、清潔感のなさは「仕事が雑なのではないか」というマイナスの印象につながりかねません。
また、服装だけではなく、フケや爪の汚れ等は採用担当者に不潔な印象を与えてしまうため注意を払いましょう。見た目だけに限らず、つよすぎる香水の匂い等もNGです。
ポイント②企業の意図に合わせる
近年では「オフィスカジュアル」を採用している企業が増えているため、面接の服装に「私服」や「服装自由」等の指定があることも珍しくありません。
その場合、どのような服装にするのが適切なのか悩む方も多いのではないでしょうか。
これについては企業の意図に合わせることがポイントです。企業の意図には大きく分けて2通りあります。
意図⑴スーツは大変なので私服で構いません
従業員がカジュアルな服装で勤務している企業では、「スーツは大変なので私服で構いませんよ」というスタンスが多いです。特に、IT・ベンチャー企業はこのような傾向にあります。
このようなケースでは、「清潔感」と「ビジネスマナーから外れていない」の2点を押さえることが大切です。
ジャケットや襟付きのシャツを取り入れることで、この2点を押さえることが出来ます。
面接はあくまでも仕事への熱意を伝える場です。たとえ私服でよいとはいえ、Tシャツにジーンズのような、プライベートで遊びに行く服装等は避けましょう。
また、このケースでスーツを着ていくとマイナスの印象になってしまうのかというと、必ずしもそうとは限りません。スーツで行っても問題はありません。
意図⑵センスを見る
クリエイティブな職種やアパレル業界等では、応募者のセンスを見るために私服を指定する意図があります。この意図の場合は、企業の公式サイトや求人情報で社員の服装をチェックし参考にしましょう。
スーツで行くとマイナスな印象になる可能性が高いため、必ず私服で面接に向かいセンスをアピールしてください。
ポイント③20代後半からリクルートスーツの着用は避ける
新卒で着るリクルートスーツは、「学生時代の就職活動の定番」という印象がぬぐえず、頼りない印象を与えてしまいまねません。20代前半であれば許される範囲ではありますが、20代後半からはリクルートスーツ着用は避けた方がよいです。
ポイント④ジャストフィットのスーツを着用する
スーツは、自分の体型に合ったサイズを選ぶことが大切です。
たとえ、どんなに素敵なスーツでも体型に合ったサイズを着用しないと台無しになってしまいます。自分の体型より大きいサイズを着るとだらしない印象になってしまうため、注意をしましょう。
転職活動に適したスーツ
以上のポイントを押さえたうえで、転職活動に適したスーツを男女別に見ていきましょう。
男性のスーツ
男性のスーツは、「ワイシャツにジャケットを羽織る」といったように、ある程度は固定で決まっています。そんな中でも、転職活動の面接に「適している服装」「適していない服装」というものがあるのです。
以下の通り、パーツごとでご説明させていただきます。
男性➀スーツ
スーツの色は、世代や性別を問わずマイナスな印象を与えない、グレーやネイビー等のベーシックカラーがおすすめです。もちろん、ブラッグでも構わないのですが、素材や形のよってはリクルートスーツに見えてしまうため注意しましょう。
着用する際、三つボタンであれば真ん中のみ、二つボタンであれば上だけを留めてください。そして、フラップ(スーツのポケットの蓋)は、晴れの日は中にしまい、雨の日は出すのが正しい着方です。
男性②ワイシャツ
ワイシャツは白が基本です。ドゥエ・ボットーニ等の襟が高いタイプのシャツは、ネクタイが曲がる原因になるため避けましょう。
また、ジャケットからワイシャツの袖が1~1.5センチほど出るのがベストの長さです。出過ぎるとだらしない印象になってしまうため気をつけてください。
男性③インナー
ワイシャツのインナーには、白で無地のTシャツを着ましょう。
インナーを着ないと、ジャケットを脱いだ際に肌が見えたり、ワイシャツが汗で肌に貼り付いたりと、清潔感に欠けてしまいます。それらを避けるために、インナーは必ず着用しましょう。
男性④ネクタイ
転職活動において、ネクタイの色は問われません。但し、鮮やかなピンクやイエロー等、主張が強いものは好みが分かれるため推奨しません。積極的な印象を与えるエンジ色や、誠実なイメージをもつ青色がおすすめです。
また、柄についても個性的なものは避けましょう。レジメンタルストライプや小柄のチェック等、シンプルなものがよいです。
男性⑤ベルト
ベルトは、革がくたびれていたりバックル等が派手だったりするものは避けましょう。靴と同じ色に合わせることで統一感が出て、しっかりとした印象を演出できます。
男性⑥靴下
靴下は黒、またはスーツと同じ色に揃えると統一された印象になるためおすすめです。
男性⑦靴
靴の色は黒または茶褐色が一般的です。キャメル等の明るい色や、つま先が尖っているものは個性が強く出てしまうため、避けた方が無難でしょう。そして、面接前には極力、靴をしっかり磨いて艶を出したり、傷があればリペアに出したり等のメンテナンスをした方がよいです。
「オシャレは足元から」という言葉があるように、靴で印象は大きく変わります。派手なデザインや色は避けてベーシックなものにしましょう。
女性のスーツ
女性のスーツは、インナーはブラウスかカットソー、ボトムはパンツかスカート等、選択肢があります。そのため、何を着ればよいのか迷うことも少なくないでしょう。
それらを含め、パーツごとにお伝えさせていただきます。
女性➀スーツ
女性のスーツはシンプルで清潔感のあるデザインのものがよいです。例えば、色は黒や紺、グレーがおすすめです。但し、黒に関しては、素材等によってリクルートスーツに見えてしまう可能性があるため注意してください。
ジャケットのボタンは男性同様、三つボタンなら真ん中のみ、二つボタンなら上のみを留めましょう。
また、<span class=”t-line-double”>ジャケットの袖丈は親指の付け根あたりがベスト</span>です。
女性②ボトム
ボトムは丈が重要です。
スカートであれば、膝の真ん中からやや上のくるように丈の長さを調整すると足が綺麗に見えます。
パンツの場合は、ヒールの付け根から数ミリ下に裾がくるようにするのがベストです。インナーをタックインする場合は靴と同じ色のベルトを着用し、統一感を演出しましょう。
女性③インナー
女性のインナーは、先述した通り、ブラウスやカットソー等の選択の幅があります。白または淡い色のブラウス・カットソー等、清潔感があるものがよいでしょう。但し、黒いスーツに白ブラウスを合わせてしまうと就職活動生のように見えてしまうため、この組み合わせはおすすめしません。
また、フリルが付いていたりドレープが派手だったりと、カジュアル過ぎるものはNGです。
そして、インナーの中には同色のキャミソール等を着て下着が透けないようにしましょう。
女性④ストッキング
ストッキングは原則、肌の色に近い無地のベージュにしましょう。タイツや装飾が入ったものはスーツに合わないため推奨しません。
女性⑤靴
靴は、ヒールの高さが5センチ程度の黒いパンプスがおすすめです。ピンヒールやミュールは面接の場には適さないためNGです。
また、傷や汚れは面接官にマイナスな印象を与えてしまうため、必ず面接前に磨いたり修理に出したりする等のケアをしましょう。
男女共通
次に、注目点が男女で共通している腕時計とカバンについて見ていきましょう。
男女➀腕時計
袖口から見える腕時計は自分の人間性をアピールするためのアイテムになります。とはいえ、ビジネスシーンに相応しくない華美な腕時計や、ブランドを主張し過ぎたデザインのものは避けた方が無難です。
バンド部分が、黒や茶色の革もしくはシルバーのもの等、社会人として相応しいものを推奨します。
男女②カバン
「カバンは面接時、足元等に置くからあまり関係ない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、持ち物からは「ビジネスの場において細やかな気配りが出来るかどうか」が表れます。
そのため、カバン等の小物類は意外と面接官に見られているのです。
ビジネスの場のふさわしくない色・形をしたものは面接官にマイナスな印象を与えてしまうおそれがあるため気をつけましょう。
カバンの色は靴と同じ色にすると統一感が出るためおすすめです。
大きさは、最低限A4サイズが入るようなビジネスバッグにしましょう。また、面接時にはカバンを足元に置くケースが多いため、自立するタイプをチョイスするのが無難です。
最近では、リュックサックやトートバッグタイプのビジネスバッグが増えています。とはいえ、面接の場においては、これらのタイプはカジュアルになってしまうため避けた方がよいでしょう。
さらに、あまりに高価なブランドものや派手なデザイン等も印象はよくありません。
身だしなみ
次は身だしなみについてお伝えさせていただきます。
身だしなみ➀ヘアスタイル
ヘアスタイルは、派手なカラーは相手によい印象を与えません。そのため、髪の色が明るい方は、落ち着いた色にトーンダウンしておきましょう。
また、前髪で目にかかるほどの長さは、表情が見えづらくなり暗い印象を与えてしまいます。それを防ぐために、前髪をピンで留めたり、サイドの髪も耳にかけたりして、表情がよく見えるようにしましょう。
さらに、バレッタやシュシュ等のヘアアクセサリーをつける際はシンプルなものを選ぶようにしましょう。
身だしなみ②メイク
美容業界等、しっかりとしたメイクを必要とされる仕事以外は、基本的にナチュラルメイクにしましょう。但し、「ナチャラルメイク」=「薄化粧」というわけではありません。派手なアイシャドウや濃いアイライン等は避け、自然で清潔感のあるメイクを心がけることで面接官に好印象を与えることが期待出来ます。
“つけまつ毛”や“まつ毛エクステ”は、目立ち過ぎない毛量や長さで自然さが伝わるようであれば問題はありません。しかし、まつ毛にボリュームがあり過ぎると「化粧が濃い」という印象になり、清潔感がないと捉えられてしまうおそれがあるため、注意を払いましょう。
身だしなみ③ネイル
ネイルに関しては、派手なデザインや色使いは清潔感に欠けます。面接の際は、キレイに爪を切り揃えて、マニキュアを落としていくのがよいでしょう。
但し、販売業等の場合は、クリアカラーのマニキュアを塗ってキレイな指先にケアをしておく方が好印象になります。
このように、応募する職種に合ったネイルにしましょう。
身だしなみ④アクセサリー
アクセサリーは、女性は揺れるデザインのピアスや主張が強いネックレスは避け、小さめで上品なものを身に付けるのであれば問題ありません。
男性に関しては、結婚指輪以外のものは身に付けない方が無難です。
季節・天候
今度は、季節や天候等のシーン別にお伝えさせていただきます。
季節・天候➀夏
近年では、夏にクールビズを導入する企業が増えています。そのため、企業側から「面接はクールビズでお越しください」と言われることがあるかもしれません。その場合は、ノーネクタイで臨んでも構いません。但し、面接の冒頭で「クールビズで失礼します」と一言添えると印象はアップします。
また、夏は汗をかきやすいことから清潔感が失われがちです。そのため、汗が引いてから面接に臨めるよう、早めに面接会場に着く等の対策をしましょう。
季節・天候②冬
冬はコート等の防寒着が欠かせません。コートは面接会場に入る前に脱ぐことがビジネスマナーになっているため、忘れないようにしましょう。
また、脱ぐからといってどんなコートでもよいのかというと、そうではありません。ダウンジャケットやジャンパー等のカジュアルなものは避けましょう。ビジネスシーンに相応しいチェスターコートやトレンチコート等がよいです。
コートの色は、黒や紺、グレー、ベージュ等のベーシックな色を選びましょう。
女性は寒いからといってブーツ等は履かないようにしてください。厚手のストッキングを履く等の寒さ対策をしてパンプスで行きましょう。
季節・天候③雨の日
雨の日に使う傘も重要です。多くの場合、面接会場の傘立てを借りることになるため、個性が強いものや汚れたものは避けたいところです。
そこで、おすすめなのが折り畳み傘です。折り畳み傘であれば、カバンの中にしまうことが出来るうえに、傘立てを借りる必要もありません。
また、雨の日は湿気の影響で髪型が乱れるおそれがあります。念のため、面接会場に着く前に駅や近くの施設で髪型のチェックをしておきましょう。
雨の日等は、泥はねに注意が必要なため、面接会場に着いたら靴に汚れがないかチェックすることを忘れないようにしましょう。
転職バレ対策
働きながら転職活動をする場合、有給や半休を取ったり、昼休みや仕事帰り等を利用したりして面接を受けにいく方も少なくないでしょう。
仕事場が私服の場合、スーツで面接に向かうとなる、転職活動をしていることがバレるのではないかと懸念されるでしょう。そのような事態をなるべく避けるために、以下のような方法があるのでご紹介させていただきます。
・コインロッカーにスーツ等を預けておく
・クリーニングにスーツやシャツを預けておき、面接前に引き取る
・フィットネスジムのロッカーに荷物を預ける
勤めている会社に転職活動をしていることがバレてしまうと、トラブルの元になることも否定出来ません。スーツで面接に向かう方は、ぜひ以上の方法を参考にしてみてください。
まとめ
本記事ではパーツ・シーン別で面接に適した服装をご説明させていただきました。服装は第一印象を左右する大事な要素と捉えてしっかりと準備しておけば、自信を持って面接に臨むことが出来ます。ぜひ参考にしていただきながら転職活動をしてみてください。
また、面接についてのマナーを「コチラ」で詳しく説明していますので、併せてご覧ください。