昨今、自身のキャリアアップ等を目的に転職をする方が増加傾向にあります。一方で、転職の多さが足枷になって採用をもらえない求職者も少なくありません。

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 確かに転職が多いと、面接官は「採用をしても長続きしないのではないか」と危惧します。

 ですので、転職回数が多い方は、面接官にマイナスイメージを植えつけないよう、転職の多さがプラスになっていることをアピールする必要があります。
 今回は、転職回数が多いことをプラスのイメージに転じさせるような、自己紹介から志望動機に繋げる方法についてお伝えいたします。

 

何回以上だと転職回数が多い?

 面接官は、何回以上だと転職回数が多いと感じるのでしょうか。
 某会社の人事部の方によると、20代で3回以上、30代で5回以上の転職をしていると多いと感じるそうです。ただ、転職の多さのみでマイナス評価を下すことはない、とも言っていました。

 ですので、転職回数が多くても望みを捨ててはなりません。

 

自己紹介からの志望動機に繋げる例

 面接官が、転職回数が多い応募者に対して知りたいことは、主に<span class="fw-bold">「なぜ転職をしてきたのか」「これまでの経験が当社でどのように活きるのか」</span>の2点です。その2点を抑えた自己紹介をすることがポイントです。

 ただ、転職回数が多いと一口に言っても、人それぞれ転職をしてきた状況は異なるでしょう。そこで、転職状況別に自己紹介から志望動機に繋げる例を見ていきましょう。

①転職が多い明確な理由がない

 転職が多い明確な理由がなく、職を転々としている方は、正直な転職理由を述べて誠実さをアピールするようにしましょう。
 例えば、下記のような自己紹介から志望動機に繋げるのがおすすめです。

【例】

「学校卒業後、コールセンターやカード会社の事務など3社ほどで働いていました。当時は、仕事に対して深く考えず、計画性もなく転職していました。4社目で売上管理のデータ作成を担当し、売上分析の効率改善を自ら提案して皆さんに使ってもらえるようになりました。この経験をきっかけに、数字を扱う仕事により従事したいと考え、御社の経理部門に応募致しました」

引用元:https://townwork.net/magazine/knowhow/mensetsu/t_mst/85679/#i

②同業種かつ同職種での転職が多い

 同業種かつ同職種での転職を繰り返している方は、転職理由に一貫性を持たせやすくなります。転職を経て学んだことから御社を応募するに至った経緯までを、1つのストーリーにまとめて伝えるのがベターです。

【例】

「私は飲食店の経営に興味があり、個人経営のお店を中心に、ランチ営業からディナー営業など様々なお店で働きました。その結果、それぞれの業態での売上を上げるポイントの違いが勉強できたことが大変プラスになりました。これまでは、起業を目標にしていましたが、御社の企業理念に感銘を受け、全国規模でその理念の実現に貢献する一員になりたいと思い、応募しました」

引用元:https://townwork.net/magazine/knowhow/mensetsu/t_mst/85679/#i

③業種は共通しているが職種に一貫性がない

 業種は共通しているが、職種に一貫性がない方もいるでしょう。同じ業種で働き続けたからこそ見えてきた展望を伝えるとよいでしょう。

【例】

「私はこれまでアパレルの販売スタッフ、ファッッションECサイトの運営、輸入雑貨店のサイト運営、主に商品の販売に携わってきました。御社を志望したのは、オリジナル雑貨の商品企画に従事したいと考えたからです。これまでの販売や販促の運営の経験から学んだ「お客様のニーズをくみ取る力」を、商品企画に生かしていきたいと考えています」

引用元:https://townwork.net/magazine/knowhow/mensetsu/t_mst/85679/#i

④業種は一貫していないが、職種は一貫している

 経験してきた業種が複数の場合、応募先の会社で活かせる経験やスキルに重点を置いて話しましょう。活かせる経験が思い当たらない場合は、複数の会社を経験したからこそ身についた柔軟性や協調性等をアピールしましょう。

【例】

「大学卒業後に保険会社に一般事務として入社し、以降9年間で4社経験しております。最初は、データ入力が多かったのですが、Excelスキルを磨きたいと考え、4年前に入った3社目以降は、Excelの関数やピボット、Accessを使って分析用のWebサイトのアクセスログデータ集計を担当してきました。御社では、これまでの経験を活かして、売上のデータ管理に貢献したいと思っております」

引用元:https://townwork.net/magazine/knowhow/mensetsu/t_mst/85679/#i

⑤社風や人間関係、労働条件等が理由で転職

 社風や人間関係、労働条件等が理由で転職を繰り返している方は、会社の研究不足や、他責の傾向が強い印象を与える可能性があります。
 それを避けるために、複数の会社を経験したことで身についたスキル等をメインに、自己紹介をするとよいでしょう。
 なお、労働条件面が理由で転職を繰り返している方は、応募する会社に疑問を残さないように、質問をするようにしましょう。

【例】

「卒業後、個人向けの保険営業などを2社経験し、目標への責任感やお客様目線での提案などを身に着けましたが、社風など、自分の企業研究が足りず退職しました。3社目は、これまでの反省を踏まえ、少人数でチームを組む営業組織を重視する会社へ転職し、2年前からチーフを任されています」

⑥労働条件が理由で退職

 労働条件が理由で退職している方も、社風が合わずに退職をしている人と同様、会社の研究不足や他責の傾向が強いと思われる恐れがあります。
 そのため、複数の会社を渡り歩いたことで身についたスキル等を伝えるとよいでしょう。

【例】

「アパレル業界で最初はアルバイトから始め、2社目からは契約社員から正規雇用に代わり、合計約7年間で3社ほど販売員として従事しています。現在は〇〇店のチーフとして、〇名の従業員と一緒に売上目標の達成を目指しています。シフト制で店舗異動も多く、仕事とプライベートのバランスを取りながら、どう働き続けられるかを考えていました。そこで御社のECサイト運営の募集を拝見し、お客様目線でサイト運営に貢献したいと思い、応募いたしました」

引用元:https://townwork.net/magazine/knowhow/mensetsu/t_mst/85679/

 

転職の多さがプラスに転じる時代

 これまでは、定年まで1つの企業で勤め上げることが理想とされる終身雇用の時代でした。しかし、現在は企業がいつまで存在しているか分からないほど、情勢の変化が著しい時代です。そのため、転職に対して否定的な考えを持つ人は少なくなっています。
 むしろ、転職回数が多い人はユニークであるという発想をする人さえいます。

 転職が多いという過去をプラスに転換させて、面接に臨む姿勢が何よりも大切です。本記事でお伝えした内容を参考に、自信を持って自己紹介と志望動機を面接官に伝えてみてください。