法律事務所の事務職の募集を見ると、事務所によって異なる呼び名になっているのが散見されます。主に「法律事務職員」「パラリーガル」「弁護士秘書」の3種類に呼び方をされています。
 この3種は呼び名だけでなく、業務内容も異なるのでしょうか。本記事ではそこにスポットを当てていきたいと思います。

 

法律事務所職員とは

 法律事務職員は、法律事務所で弁護士のサポートをする職員の総称です。つまり、法律事務所で働くパラリーガルと弁護士秘書は、この法律事務所職員に含まれるのです。

 

パラリーガルと弁護士秘書

 弁護士のサポート業務は、主に法務(法律事務)と事務の2つに細分化されます。
 法務を含めた事務を遂行する法律事務所職員がパラリーガル、法務は行わず事務のみを遂行する法律事務所職員が弁護士秘書といったように分けられます。

 したがって、図にすると下記のように整理されるのです。

 

パラリーガルとは

 「パラリーガル」とは「法律事務員」とも呼ばれ、一般には弁護士の監督の下、法務や一般事務を遂行する職業のことを指します。
 具体的な仕事内容は下記が挙げられます。

■弁護士が裁判所に提出する書類のドラフト作成
■事件を解決するために必要な判例のリサーチ
■事件の事実関係をリサーチ
■書類を作成する際の参考となる資料を収集
■クライアントの情報を整理して弁護士に共有

 上記のように、パラリーガルは法律の知識を必要とする法務を中心に業務を遂行します。

弁護士秘書とは

 弁護士秘書とは、弁護士業務のサポートをする秘書のことを指します。
 具体的には以下の業務を遂行します。

■弁護士のスケジュール管理・調整
■電話応対
■来客者へのお茶出し
■裁判所への書類の提出・受領
■公的書類の取り寄せ
■郵便物への宛名書き
■クライアント対応
■移動手段や滞在先の手配
■重要書類の整理

 パラリーガルとは異なり、法律の知識を必要としない業務を遂行します。弁護士秘書の多くは、所長等に専属で就いて業務を遂行します。大手の法律事務所の場合は、多忙なアソシエイト(共同経営している弁護士)に就くケースがあります。

 

パラリーガルと弁護士秘書の違い

 パラリーガルと弁護士秘書の大きな違いは、パラリーガルは事務だけでなく法務も行い、弁護士秘書は事務を行うという点です。
 つまり、「法務を含めた事務を行う法律事務所職員=パラリーガル」「法務を遂行しない法律事務所職員=弁護士秘書」と言えるでしょう。
 ただ、パラリーガルという概念に弁護士秘書も含まれていると考える人もいます。

 

パラリーガルより弁護士秘書を重宝する事務所もある

 事務所によってはパラリーガルより弁護士秘書を重宝するケースがあります。というのも法務を全て弁護士が行う事務所では、パラリーガルは必要ないためです。

 

弁護士秘書からパラリーガルへ

 長く勤めている弁護士秘書は、弁護士からの信頼が厚くなり法務を任せられるケースが少なくありません。ですので、法律の知識が身につき、弁護士秘書からパラリーガルになる人も珍しくないのです。