監査等の業務に従事する公認会計士。税理士やファイナンシャルプランニング技能士等の会計系において、最高峰の国家資格と考えられています。
 また、公認会計士試験は医師国家試験と司法試験と並び、三大国家試験と呼ばれる場合もあります。
 そのように聞くと、公認会計士の資格を取得するのは難しい、というのは漠然とですが理解はできるでしょう。しかし、その難しさがどの程度なのか腑に落ちない方も多いのではないでしょうか。

 そこで、本記事では「合格率」と「偏差値」の観点から公認会計士試験の難易度について説いていきたいと思います。

 

合格率から見る公認会計士の難易度

 まずは、合格率の観点から公認会計士試験の難易度を見ていきましょう。
 過去行われた公認会計士試験の合格率は以下のように推移しています。

年度 出願者数 合格者数 合格率
平成23年 23,151名 1,511名 6.5%
平成24年 17,894名 1,345名 7.5%
平成25年 13,324名 1,178名 8.9%
平成26年 10,870名 1,102名 10.1%
平成27年 10,180名 1,051名 10.3%
平成28年 10,256名 1,108名 10.8%
平成29年 11,032名 1,231名 11.2%

引用元:https://www.studyplus.jp/610#公認会計士試験の難易度・合格率

 近年は合格率の推移は上昇傾向にありますが、それでも平成29年の公認会計士試験の合格率は11.2%と低いです。
 これがどの程度低いのかを他の国家試験と比較したランキングを見てみましょう。

順位 試験名 合格率
1 司法書士試験

平成28年度:3.95%

平成29年度:4.07%

引用元:https://www.sho4-get.jp/archives/1292

2 社会保険労務士試験

平成28年度:4.4%

平成29年度:6.8%

引用元:http://www.robocup2005.jp/8.html

3 土地家屋調査士試験

平成28年度:8.92%

平成29年度:8.69%

引用元:http://chosa4.com/nanido-goukakuritu/

4 公認会計士試験

平成28年度:10.8%

平成29年度:11.2%

引用元:https://www.studyplus.jp/

5 弁理士試験

平成28年度:15.5%

平成29年度:8.9%

出典:特許庁ウェブサイト

6 行政書士試験

平成28年度:9.95%

平成29年度:15.72%

引用元:https://www.gyouseishoshi-get.jp/3reason-to-lower-pass-rate-188/

7 税理士

平成28年度:13.2%

平成29年度:17.0%

引用元:http://www.hikarujinzai.com/entry/2017/12/14/143158 

8 中小企業診断士(第2次試験)

平成28年度:19.2%

平成29年度:19.4%

引用元:https://www.j-smeca.jp/

9 司法試験

平成28年度:22.9%

平成29年度:25.9%

引用元:https://reatips.info/bar-examination-2017/

 他の国家資格の合格率と比較する限りでは、4番目に難しいのが公認会計士試験と言えるでしょう。

 

偏差値から見る難易度ランキング

 次いで、偏差値です。有名掲示板サイト「2ちゃんねる」では、「資格難易度・偏差値ランキング」というものが存在しました。
 資格に偏差値はなく根拠は皆無かもしれませんが、少なからず頷ける面もあるため、本記事でも以下に紹介させていただきます。

70:裁判官 

68:検察官 

67:弁護士(予備試験) 

66:弁護士(ロー卒) 

65:<span class="fw-bold">公認会計士</span>(全科目一括合格) 医師(国公立卒) 国家1種 

64:弁理士(免除なし) アクチュアリー 公認会計士(科目分割合格)

  司法書士 税理士(5科目受験免除なし) 技術士(総合監理) 

63:医師(私立卒)TOEIC990 電験1種(受験取得 認定除外) 

62:弁理士(選択免除) 1級建築士 技術士(上位部門) 不動産鑑定士 

61:1総通 税理士(3科目受験2科目免除)通訳案内士 

60:社会保険労務士 土地家屋調査士 技術士(下位部門) 中小企業診断士

  税理士(2科目受験3科目免除) ITストラテジスト 

59:国家2種 システム監査技術者 獣医師 行政書士 国税専門官 1陸技

  環境計量士 TOEIC900 英検1級 

58:歯科医師 米国公認会計士 電験2種(受験取得 認定除外) その他高度情報処理6種類 

57:証券アナリスト 政令指定都市市役所上級 日商簿記1級 労働安全・衛生コンサルタント

  気象予報士 薬剤師(国公立卒) 

56:測量士(受験取得) マンション管理士 1級FP技能士(学科+金財面接実技) 

55:電験3種(受験取得 認定除外) 応用情報 英検準1級 TOEIC800

  電気通信主任技術者 エネルギー管理士 

54:技術士補 2級建築士 通関士 年金アド2級 その他市役所上級 火薬類製造保安責任者甲種 

53:2総通 1種冷凍 公害防止管理者 特級ボイラー 税理士(Wマスター5科目全部免除) 

  1級FP技能士(CFP+協会筆記実技) 

52:CFP 管理栄養士 TOEIC700 社会福祉士 一般計量士 宅建 管理業務主任者

  海事代理士 基本情報 

51:工事担任者AIDD総合種 薬剤師(私立卒) 1陸特 ケアマネージャー 

50:TOEIC600 日商簿記2級 危険物甲種 販売士1級 

48:2級FP技能士 AFP 1級ボイラー 2種冷凍 1種電工 測量士補(試験取得) 

  1アマ無線 1海特 浄化槽設備士 

46:精神保健福祉士 保健師 助産師 看護師 理学療法士 作業療法士 貸金業務取扱主任者 

44:介護福祉士 2種電工 3種冷凍 保育士 年金アド3級 浄化槽管理士 

  電験3種(無試験認定) 毒物劇物 2アマ無線 

43:ITパス 日商簿記3級 第1種衛生管理者 エックス線 英検2級 

40:登録販売者 2級ボイラー 第2種衛生管理者 2陸特 2海特 危険物乙種 

  測量士(無試験認定) 3級FP技能士 潜水士 

39:普通自動車 販売士2級 危険物丙種 

38:原付

引用元:http://career-information.com/1182

 公認会計士の偏差値は65と極めて上位"です。偏差値から見ても公認会計士試験の難易度が高いことがうかがい知れるのではないでしょうか。
 但し繰り返しますが、資格に偏差値はありません。そのため、上記の偏差値ランキングは指標程度に捉えるようにしてください。

 

公認会計士試験が難しい理由

 では、公認会計士試験が難しい理由は何なのでしょうか。主に次の2つの理由が考えられます。

【理由①】試験が2段階方式になっているため

 公認会計士試験は、短答式(マークシート方式)試験と論文式試験の2つに分かれています。
 そして、先に短答式試験に合格をしなければ論文式試験に進めない2段階方式になっているため、公認会計士試験は2度合否のふるいにかけられるのです。

 この2段階方式が合格を難しくしている理由に挙げられます。

【理由②】試験科目が多いため

 加えて、公認会計士試験は<span class="fw-bold">試験科目が9科目と多い</span>です。ですので、広い範囲の勉強をすることが必要とされます。

 以上、2つの理由から公認会計士試験は難しいと考えられています。

 

公認会計士試験に必要な勉強時間

 では、公認会計士試験に合格するためには、どの程度の勉強時間が必要なのでしょうか。おおよそ3,000時間が必要と考えられています。
 3,000時間はどの程度の期間を要するのか、専業受験生と兼業受験生に分けて考えていきます。

専業受験生の場合

 専業受験生は多くの勉強時間を割けるので、1日8時間の勉強時間を確保出来るとします。毎日欠かさず勉強をすると2920時間になるため、約1年で3,000時間の勉強をすることが可能でしょう。

 ただ、全く休まず勉強することは現実的な考えではないとも言えます。そこで、週に6日勉強するとしましょう、その場合は、1年3ヶ月で3,000時間に達することが可能です。

兼業受験生の場合

 兼業受験生の場合、仕事の有無によって勉強時間が異なるでしょう。
 仕事がある日は3時間、休日には11時間の勉強をするとします。すると、3,000時間を超えるには1年8ヶ月かかります。
 兼業受験者は、長期的に考えて勉強時間を考える必要があるでしょう。

 

公認会計士試験に強い大学

 さて、公認会計士試験に合格するためには、勉強時間だけでなく出身大学も関係していると考えられています。それが現れているデータが、慶應義塾大学・大学院の出身者の公認会計士・会計士補により構成された会計士三田会が公表している「公認会計士試験合格者数ランキング」です。
 直近3年を見ると以下のようなランキングになっています。

  平成27年度 平成28年度 平成29年度
順位 大学名 合格者数 大学名 合格者数 大学名 合格者数
1位 慶応義塾大学 123人 慶応義塾大学 139人 慶応義塾大学 157 人
2位 早稲田大学 91人 早稲田大学 96人 早稲田大学 111人
3位 中央大学 64人 中央大学 96人 明治大学 84人
4位 明治大学 56人 明治大学 72人 中央大学 77人
5位 同志社大学 33人 東京大学 36人 東京大学 50人
6位 関西大学 29人 同志社大学 33人 京都大学 48人
7位 関西学院大学 28人 立命館大学 29人 一橋大学 36人
8位 神戸大学 28人 関西学院大学 27人 立命館大学 31人
9位 東京大学
23人 法政大学 27人 神戸大学 29人
10位 専修大学 23人 神戸大学 26人 専修大学 29人

引用元:http://cpa-mitakai.net/keio_pass.html

 「慶応義塾大学」「早稲田大学」「中央大学」「明治大学」「東京大学」「神戸大学」が安定してランクインされています。上記のデータを見る限り、この6つの大学が公認会計士試験に強い大学と言えるでしょう。

  また、このデータには学部までは明記されていませんが、一般的に公認会計士は経済学部や商学部の出身者が多いと考えられています。ですので、学部を付け足してお伝えすると、以下の大学の学部が強いと言えるかもしれません。

■慶応義塾大学 経済学部・商学部
■早稲田大学 政治経済学部・商学部
■中央大学 経済学部・商学部
■明治大学 政治経済学部・商学部
■東京大学 経済学部
■神戸大学 経済学部

 

終わりに

 本記事を通して、公認会計士試験の難易度が高いことがお分かりいただけたでしょうか。
 一方で、公認会計士の資格は財務諸表の監査業務に携わることが法律により唯一認められている職種です。景気に左右されず安定して職に就け、会計分野の専門家としての社会的地位も保証されています。

 そう、難関を突破さえすれば、今後の道が飛躍的に拓けることが期待出来るのが公認会計士なのです。