面接の質疑応答で必ず問われる志望動機。経験やスキルが同程度の応募者が複数人いた場合、志望動機が決め手になるケースは少なくありません。
 第二新卒の応募者が集まれば、スキルや経験に大きな差はありません。ともなれば、志望動機が採用されるかどうかのカギを握っていると言えるでしょう。

 そこで本記事では、第二新卒の志望動機を深掘りしていきたいと思います。

 

第二新卒とは

 第二新卒とは、一般的に新卒で入社してから3年未満の求職者、あるいは20代中盤の求職者のことを指します。とはいえ、実際には第二新卒についての明確な定義はありません。

 

実は第二新卒のニーズは高い

 実は、第二新卒のニーズは高いです。
 昨今は、新卒採用で予定人数を採れなかったり、新卒で採用した人が短期間で離職してしまったり等で、第二新卒に当たる20代中盤の人材が不足する企業が増えています。

 そのため、薄くなりがちな20代中盤の人材を確保する動きを見せる企業が増え、第二新卒のニーズは増加傾向にあるのです。

 

第二新卒が志望動機を伝えるための3ステップ

 企業側は第二新卒者に対して実績やスキルを求めていない傾向にあります。それよりも、今後成長する可能性(ポテンシャル)と、定着してくれるかどうかを期待しています。それが伝わるようにするためには、自身と志望企業が合っていることを伝えることが大切です。
 具体的には、以下のステップを踏んで伝えるとよいでしょう。

【ステップ①】仕事をする上で大切にしていることを明確にする

 はじめに、自身が仕事をする上で大切にしていることを明確にしましょう。
 明確にする手段として、「やりがいや喜びを感じた場面を洗い出す」という方法が挙げられます。それにより、仕事をする上で大切にしていることが見えてくるのです。

 もし、仕事でやりがいや喜びを感じられなかった場合は、学生時代にまで遡り、部活動やアルバイト等の経験を振り返って、洗い出してみましょう。

【ステップ②】企業研究を通して自身に合った企業を見つける

 次いで、ステップ①で明確になった自身が大切にしていることを意識しながら企業研究をしましょう。企業のホームぺージを閲覧するだけでなく、ニュースリリースやメディアのインタビュー記事等、多角的に情報を収集してください。第二新卒ですが、新卒採用サイトも貴重な情報収集元になるので、目を通しておきましょう。

 自身が大切にしていることと照らし合わせながら企業研究をすることで、あなたに合った企業が見つかるでしょう。

【ステップ③】大切にしていることが共通している事実を伝える準備をする

 あなたに合った企業が見つかったら、その企業と自身のどちらもが大切にしている共通点を伝えられるよう、準備を進めましょう。

 「御社では××を大切にしているとのことですが、私も××を大切にして働きたいと思っています」と一言で終えるのではなく、××を大切にしたいと考えるようになったきっかけを具体的に語れるようにしましょう。リアルなエピソードを交えることで、いかに会社の理念や考え方に共感しているのかが伝わります。

 とりわけ、ベンチャー企業等の立ち上げ間もない企業の場合は、理念や考え方がフィットしているかどうかが重要視されます。そのため、リアリティのある志望動機が求められるのです。

 

志望動機の例文

 以上の3ステップを踏まえた例文を以下にご紹介します。志望理由を考える際の1つの参考にしてみてください。

「学生時代は○○サークルに所属していました。特に夢中で取り組んだのは、イベントの企画・運営でした。多くの人を巻き込み、一つの目標に向けて協力して形にしていくことにとてもやりがいを感じました。今の会社では営業を担当していますが、個々での活動が中心で、物足りなさを感じています。御社ではチームを組み、メンバーそれぞれの強みを組み合わせて顧客のニーズを実現していくと知り、自分がワクワクできる働き方が出来るのではないかと思い志望いたしました。」

 

退職理由を絡めた志望動機のポイント

 第二新卒者の中には、退職理由を絡めた志望動機にしたいと考える方もいるでしょう。その際は、次のポイントを押さえた志望動機にするようにしましょう。

①前向きな言い回しに変換する
②志望動機と退職理由に一貫性がある

 ひとつずつ見ていきましょう。

【退職①】前向きな言い回しに変換する

 当然、採用担当者は、仕事への不満を理由に退職したことは想定しています。とはいえ、志望動機に明記する退職理由で「やりたい仕事がなかった」「休みが取れない」「残業が多い」等、ネガティブな要素を入れると、面接官にマイナスな印象を与えてしまうおそれがあります。
 それを避けるために、前向きな言い回しに変換させることが大切なのです。

ネガティブな退職理由をプラスに転じさせる例文

 ネガティブな退職理由をプラスに転じさせる例文を以下に2つご紹介します。

■例1:新規開拓営業したくない
 飛び込み営業やテレアポ等、新規開拓営業をしたくないことを理由に辞めた方は次のような言い回しにしましょう。

新しいお客さまとお話しすることは楽しかったのですが、その分、お客さま一人ひとりに割ける時間が少ないのが悩みでした。もっとお客さま一人ひとりと向き合い、信頼関係を築いて長く付き合っていく仕事がしたいと思い、転職を決意しました。

引用元:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/nisotsu/03#section01

■例2:残業が多い
 残業が多いことを理由に退職した方は少なくないでしょう。そのような方は下記の例文を参考に言い回しを考えてみてください。

残業を減らしたいというよりも、仕事のオンとオフをしっかり分けることでメリハリがつくのではないかと思います。そうすれば自分はもっと効率的に仕事ができるはずだと考え、仕事を変えようと思いました。

引用元:https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/nisotsu/03#section01

【退職②】志望動機と退職理由に一貫性がある

 退職理由と志望動機に一貫性があるかどうかをチェックしましょう。
 「今の会社では叶えられないことがあるが、それを叶えるために御社に入社したい」と、退職理由が応募先の会社への志望理由に繋がるように心掛けましょう。

 

まとめ

 企業側は第二新卒者に対して、今後成長する可能性(ポテンシャル)と、定着してくれるかどうかを期待しています。それが伝わるようにするためには、自身と志望企業が合っていることを伝えることが大切です。
 本記事で紹介した3ステップを踏んで、採用されるための志望動機を考えてみてください。