企業の採用担当者が履歴書を見た際、はじめに目が行く箇所が写真だということをみなさんはご存知でしょうか?
はじめに目が行くということは、写真で「あなたの第一印象」が決まってしまうのです。
年間1万人以上の応募者の履歴書を見ている某大手企業の人事担当者の話によると、どんなに内容がよくとも、以下のような写真は採用を躊躇ってしまうそうです。
「解像度が低い」「色合いが悪い」
「表情が暗い」「人相が悪い」
いずれも共通して言えるのは、“写真の印象が悪い”という点でしょう。
応募者は履歴書を作成する際、書く内容に重きを置きがちです。しかし、どんなに内容のよい履歴書が書けたとしても、印象が悪い写真を使用してしまうと、採用担当者にマイナスなイメージを与えてしまうのです。
内容のよい履歴書が台無しにならないよう、本記事では採用担当者に好印象を与える写真についてお伝えさせていただきます。
履歴書写真のルール
まずはじめに、履歴書の写真に関するルールを押さえておきましょう。 どんなによい表情で写真を撮れても、ルールが守られていなければ印象はマイナスに働いてしまうためです。
ルール➀3ヶ月以内に撮ったものを使用
写真は3ヶ月以内に撮ったものを使用してください。これは、3ヶ月以上経ってしまうと、その間に髪型や体型が変わってしまう可能性が出てくるためです。 とはいえ、3ヶ月以内というのはあくまでも目安であり、例えば1ヶ月以内でも面接までに髪型や体型が変わったようであれば、億劫がらずもう一度撮り直しましょう。 それは、写真と面接時の印象があまりにもかけ離れていると、採用担当者にきめ細やかな配慮が出来ない雑な応募者という印象を与えてしまう可能性があります。
ルール②背景は白
最近の証明写真は、背景を緑やピンク等好きな色を選べます。但し、企業に提出する場合は、白がよいでしょう。
履歴書は、応募先の社内でコピーされ複数の人の手に渡る可能性があります。背景が暗かったり濃かったりすると、コピーされた時に背景と顔との境が分からなくなってしまうのです。その点、白はコピーしても背景と顔の境はくっきり分かります。
好印象な履歴書写真のポイント
次に好印象を与える履歴書の写真についてお伝えさせていただきます。 好印象を与えるためには、「服装」「髪型」「メイク」「姿勢」「表情」の5つのポイントを、気をつけること必要があるのです。 それでは、1つずつ見ていきましょう。
好印象➀服装
服装は、応募する企業・職種で働くと想定した格好で撮るのが適切です。例えば、デザイナーやエンジニア等のクリエイター職の場合は私服でも問題ありません。しかし、外回りをする営業職等の場合はスーツで写真を撮りましょう。
⑴スーツで写真を撮る場合
スーツで写真を撮る場合は男女で気をつけるポイントが異なります。
出典元:http://pic-chan.net/c/style/cloth_m.php?l=EN
・シャツ
清潔感のある白を選びましょう。ドゥエボットーニ(喉元にボタンが2つ付いているタイプのシャツ)等は襟が高く、ネクタイが緩んだり上まで締まらなかったりする可能性があるため、避けた方がよいです。
・ネクタイ
色は青系がよいでしょう。青系は知性を感じさせる色なのでオススメです。
ネクタイを着用する際は、シャツを第一ボタンまでしっかり留めてください。そして、ネクタイを締める時はディンプル(結び目の下に出来るくぼみ)が中央に来るよう意識しましょう。
形を整えた後は、ネクタイが曲がったり緩んだりすることを防止するためにタイピンで固定してください。
・スーツ
黒やグレー、紺等、落ち着いた色が好印象を与えます。派手な色や柄物は避けた方が無難です。
撮影をする際は、襟が立っていないかどうかのチェックをしましょう。 また、シャツとスーツは、くたびれたものを着用してしまうとだらしない印象を与える恐れがあります。クリーニングに出す等をして、必ずしわや汚れのないものを着用しましょう。
女性スーツ
出典元:http://pic-chan.net/c/style/hair_w.php
・インナー
白いシャツやブラウス、もしくはホワイトのカットソーにしましょう。
カットソーを選ぶ際は、胸元の開きすぎたものはカジュアルさが強調されてしまいます。そうならないために、誠実さが感じられる襟ぐりが深くない(胸元が開きすぎない)カットソーを選びましょう。襟ぐりの深さは鎖骨のすぐ下の位置がベストです。
また、フリルやビジューが目立つカットソーもかわいらしくなりがちです。そのため、カットソーを選ぶ際は、フリルはビジューが目立たないもの、もしくはデザインのない無地タイプのものがよいでしょう。
・スーツ
男性と違い女性のスーツの色は、黒をオススメしません。黒は硬い印象を与えてしまうためです。そのため、柔らかい印象を演出出来るネイビーやグレーがオススメです。
⑵私服で写真を撮る場合
出典元:https://townwork.net/magazine/job_wpaper/14922/
私服で写真を撮る場合は、派手なデザインや露出が多いもの、Tシャツやタンクトップ等のラフなものは印象が良くありません。
好印象を与える服装は、清潔感と誠実さが伝わるシンプルなものです。男女共に、無地またはシンプルな柄の襟付きシャツがベターでしょう。シャツのボタンは1番上まで留めるか、1段目だけ開けるかのどちらかにしてください。2段目以降も開けてしまうとだらしない印象になってしまうので、決してやらないようにしましょう。 寒い時期は、シャツのうえにジャケットやカーディガン等を羽織り、前のボタンを留めましょう。ライダースジャケットのようなハードなアウターは個性が強すぎるため控えた方がよいです。 アパレル販売員のケース アパレル販売員の応募をする場合は、コーディネートのセンスを見られます。そのため、企業のブランドイメージに合わせた服装がベターです。あまりにもブランドイメージとかけ離れた服装をしてしまうと、採用担当者に「うちの会社と合わない」と受け取られてしまい、不採用になる可能性が考えられます。
好印象②髪型
出典元:https://ten-navi.com/hacks/resume-9-3839
髪型は印象の良し悪しを決める大きな要素です。スーツ同様、男女で気をつけるポイントが異なるため別々に見ていきましょう。
髪型⑴男性
髪型は前髪を分けたり流したりする等して、表情がよく分かるスタイリングを心掛けましょう。決して、上記画像のように前髪で顔を覆うような髪型にはしないようにしてください。暗い印象になってしまいます。
また、短髪の男性は決してモヒカンのように真上に向けてガチガチに固めたヘアスタイルにしないようにしてください。固めたり立たせたりするセット不真面目な印象を与えてしまいます。不自然さを感じさせないナチュナルなヘアセットを心掛けましょう。
髪型⑵女性
女性も男性同様、表情が分かるように前髪は分けたり流したりしてください。
また、髪が襟に掛かる程の長さの場合は、結うか後ろに流す等してスッキリさせましょう。
さらに、パーマをかけて無造作ヘアにしている方は、だらしない印象を与えてしまう可能性があります。上から押さえつけるように整髪料をつけ、ボリュームダウンさせた大人しいスタリングにしましょう。
なお、毛量が多くボリュームが出てしまう方も、整髪料を上から押さえつけるようにつけ、ぼさぼさに見えないようにしてください。
好印象③メイク
女性は清潔感があり、血色のよいナチュラルメイクが好印象です。
但し、写真館で撮影をする際は、目元を自然な範囲で少しだけ濃くするように意識しましょう。写真館で使用されているスタジオ照明は光が強く、薄めのメイクでは眉や目元がとんでしまうためです。とはいえ、つけまつげや濃いマスカラ・アイライナーは派手過ぎてしまうため、使用しないようにしましょう。 アイシャドウはベージュまたはブラウン系、口元はピンクかオレンジ系がおすすめです。また、チークも自然な範囲で使えば顔色がよりよく見えます。
好印象④姿勢
姿勢も印象が変わる1つの要素です。履歴書の写真では胸から下は映りませんが、足元から姿勢を正すことでよりよい写真を撮ることが出来ます まずは、両足は組まずにかかとをしっかり地面につけましょう。両手はまっすぐ降ろした状態のまま、肘を軽く曲げ、軽く握り太ももの上に置いてください。この時、肩が前に出て猫背のならないように胸を張りましょう。頭のてっぺんが上に引っ張られていることをイメージすると自然と胸も張れ、背筋も伸びます。 また、片方の肩が上がらないように注意しましょう。利き手・利き足等の関係で、骨格は必ずしもシンメトリー(左右対称)ではありません。その影響から、出来上がった写真の両肩の高さが違うということも十分あり得ます。
その場合は、遠近法を利用して左右の肩の高さを同じに見えるようにしましょう。具体的な方法として、鏡を見ながら正面に顔を向けたまま首から下を少し斜めに向けます。これにより、左右の肩の高さが均等に見えるようになるのです。
好印象⑤表情
最後に、一番重要な表情です。 歯を見せない程度に微笑んだ表情が好印象を与えます。笑顔がぎこちなくなってしまう方は、撮影の直前に口を大きく開きながら「いー」「うー」と交互に口を動かして顔の表情筋をほぐしておくと、微笑みやすくなります。
また、目線にも気をつけましょう。あごが上がった状態では人を見下したような印象になってしまうためNGです。逆に、あごを引きすぎると目が睨んだような強い印象となってしまうため、よくありません。
ベストはまっすぐ前を見た状態で、「黒目が一番よく見える」目線を意識しましょう。 以上、「➀服装」「②髪型」「③メイク」「④姿勢」「⑤表情」の5つのポイントから説明させていただきました。これらを意識したうえで写真撮影に臨みましょう。
写真を撮る方法
写真を撮る方法は、「写真館」と「スピード写真」の2通りあります。
写真館(フォトスタジオ)
写真館(フォトスタジオ)では、高機能のカメラをはじめ、表情や姿を美しく見せるための照明機材等が整っています。さらに、プロのカメラマンが撮影をするため、その人の魅力を引き出した状態で撮影をしてくれるのです。 写真館には様々なお店があり、中には履歴書の写真撮影を専門とした写真館があります。このタイプの写真館は、ヘアメイクをしてくれるサービスもあります。
その他にも、アナウンサー志望者を対象とした写真館や合格率〇〇%と謳っている写真館等、様々なお店があるため、自分に合った写真館を選びしょう。
証明写真に強い写真館はこちら「フォトスタジオナビ」から探すことが出来ますので、参考にしてみてください。
写真館での撮影はある程度のコストが掛かります。相場は2,000~3,000円ですが、ヘアメイク等のサービスも依頼すると10,000円を超えることがあります。 そのため、コスト面が気になるという方もいるかもしれません。そういった方にはスピード写真で撮る方法があります。
スピード写真
スピード写真とは上記画像のような、駅構内やスーパー等に設置してある無人撮影機です。1,000円未満で撮れるため、低コストで証明写真を手に入れることが出来ます。
しかし、安価で撮影出来る分、写真館で撮るよりクオリティは劣ります。
そこで、スピード写真でキレイに撮るコツをお伝えさせていただきます。
スピード写真でキレイに撮るコツ
スピード写真は、少しのコツでキレイに撮ることが出来ます。
・黒ジャケット×白シャツ
スピード写真は写真館より照明が弱いため、全体的にメリハリがなく映ってしまう傾向にあります。そのため紺やグレーよりも、黒いジャケットに白いシャツという組み合わせの方が色の明暗がはっきりするため、メリハリが出ます。
前項で、女性の場合は紺やグレーの方が柔らかい印象になるからオススメと述べましたが、メリハリよく撮ることを優先したいのであれば、黒いジャケットを選びましょう。
・膝の上にA3の白い紙を広げる
スピード写真の照明が弱いという点を緩和するために、膝の上に白い紙を広げましょう。こうすることで上からの明かりを反射させ簡単にレフ版の代用となり、顔を明るくすることが出来ます。紙のサイズはなるべく多くの光を反射させるために、A3の大きめの紙にしましょう。
・椅子の高さを「やや見下ろし位置」に調整する
備え付けの椅子は、高さを調整することが出来ます。背筋を伸ばして椅子に座った状態で、カメラが目線よりもほんの少し下にくるように調整しましょう。そして、撮影時にあごを引いてカメラを見つめることで顔のラインがキレイに見えます。
写真を履歴書に貼る際に意識すべき5つのポイント
最後に、写真を履歴書に貼る際に意識すべき4つのポイントを確認しておきましょう。
ポイント➀貼付欄よりも大きめに切る
履歴書の写真の貼付欄は「縦4cm×横3cm」になっています。ジャストサイズで切ると、ほんの僅かズレただけで貼付欄の線がはみ出してしまい、見た目がよくありません。 そのため、余裕を持ったサイズで写真を切り取ってください。目安として1mm程度の余白を持って切るのがよいです。
ポイント②曲がらないように切る
写真を切る時は、曲がらないように注意しましょう。コツとして、あらかじめ写真の裏に定規で線を引き、それに沿って切ると曲がらずに切ることが出来ます。
ポイント③鼻筋が真ん中に来るように切る
切り取る際は鼻筋が真ん中に来ることを目安にしてカットしましょう。そうすることで、バランスよく切ることが可能になります。
ポイント④写真の裏に名前を書く
履歴書に写真を貼る前に、写真が剥がれ落ちた場合に備え、裏面に名前と生年月日を記入しておきましょう。生年月日も記入しておくことで、万が一同姓同名の人がいた場合に区別がつきます。 記入する際は力を入れ過ぎないように書き込みましょう。力を入れ過ぎると表の写真面に文字跡がついてしまいます。
ポイント⑤写真をキレイに貼る
写真を貼付する際は、履歴書に付属の写真用シールを利用しましょう。写真用シールが付いていない場合は、テープのりや両面テープを使用するとキレイに貼り付けることが出来ます。 手元にのりしか持っていない場合は、剥がれないように紙を敷いて四隅までしっかりのり付けをしましょう。四隅までのり付けをしないと、角が浮かび上がって剥がれることがあるため注意してください。
まとめ
たとえ、履歴書によい内容を書いたとしても、前述の採用担当者が話しているように、写真たった一枚で採用に関する印象が左右されてしまう可能性があります。 そうならないためにも、転職活動をしている方は、企業に好印象を与える履歴書写真を撮るようにしてみてください。