司法制度改革による弁護士数の増加に伴い、近年パラリーガルの需要が増えています。
 また、ドラマやニュース等でもパラリーガルが話題に出される機会が増えたのも手伝って、パラリーガルは年々増加傾向にあります。

 ただ、パラリーガルを目指す多くの方は、履歴書の志望動機をどのように書けばよいのか戸惑うようです。「ドラマを見てパラリーガルになりたいと思いました」と書いても説得力に欠けるでしょう。

 では、どのように志望動機を書くのが好ましいのでしょうか。本記事では、パラリーガルの志望動機にスポットを当てていきたいと思います。

 

法律事務所の規模によって採用担当者が異なる

 弁護士のアシスタント業務を行うパラリーガルの主な勤務先は法律事務所です。バラリーガルの採用に際しては、事務所の規模によって採用担当者が異なります。

 大規模の法律事務所を受ける場合、事務所の運営者が採用を担当するケースが多いです。対して、小規模の法律事務所の場合、その事務所を経営する弁護士が採用を担当しているケースがほとんどです。

 

採用担当者が求めている内容

 採用担当者は求職者の志望動機から下記の情報を求めている傾向にあります。

・なぜ法律事務所で働きたいのか
・法律事務所の方針等をどのように捉えているか
・アシスタント業務に向いているかどうか
・コミュニケーション能力があるかどうか
・事務処理能力があるかどうか

 また、パラリーガルと弁護士は二人三脚で業務を遂行していくため、両者の相性も重視されえます。事務所の規模が小さければ、ことさらその相性は重視されます。

 

志望動機の書き方

パラリーガルの採用では、担当者は前項で触れた内容について知りたいため、特に以下4点を念頭に置いて志望動機を書くとよいでしょう。

【書き方①】なぜパラリーガルを志望するのか

 まずは、なぜパラリーガルを希望しているのかを明確にしましょう。例えば「法律事務を通して困っている方々を間接的にサポートしていきたい」や、女性であれば「キャリアを積むことによって女性でも長く働くことが出来る職種である」と言えるでしょう。

【書き方②】「なぜ貴所なのか」を明確にする

 どの会社にも言えるような「正社員になりたいため」「福利厚生がしっかりしているため」等の志望動機は、採用につながりにくくなります。
 パラリーガルの志望動機には、数ある法律事務所の中から「なぜ貴所なのか」が明確に分かる志望理由を書くことが大切です。そのためには、志望する法律事務所の社風やビジョン等、パラリーガル業務外の部分まで事務所研究することは欠かせません。

【書き方③】「求める人材像」をチェックする

 パラリーガルはスキルだけでなく、事務所が求めている人物像であるかどうか、という点も重要になります。そのため、事務所のホームページ等で「求める人物像」をチェックし、それに沿った志望動機を考えることが肝心なのです。

【書き方④】コミュニケーション能力があることをアピール

 パラリーガルはデスクワークが中心ではあるものの、実はコミュニケーション能力があるかどうかという点が採用を左右します。

 

例文

 それでは、上記の「志望動機の書き方」を踏まえて2つの例文見ていきましょう。

■転職の場合

私が法律事務所に就職したい一番の志望動機は、法律実務に携わり、弁護士の先生方のサポートをすることは私にとって適しており、一生を通して成長していくことのできる職務だと考えているからです。

私は学生時代に法学部に在籍し、4回生の時に法律実務論という講義を受講しました。そこで弁護士の先生方が実際の弁護例などを元に、実務というリアルなお話をされるのを聞き、実務に携わる仕事に非常に興味を持ちました。また、サークル活動においては、100名近くの音楽サークルのメンバーをまとめあげる幹部の補佐をする役割を持って、運営に携わりました。その経験から気付いたことは、自らが主体となって率先して行動するよりも、サポートにまわってリーダーなどの主体となっている人が動きやすく、仕事をしやすいように環境を整え、目には見えにくい裏方の役割を果たすことのほうが、自分にとって適役であり、そこからやりがいを感じることができるということでした。

そして、現在の職業においても、接客と業務の両面を行っているのですが、職場の方々が少しでも働きやすいよう気を配り、業務を迅速にそして確実にこなすことが、今の私の一番の日々の目標となっています。

以上のことがきっかけとなり、法律事務職員という職業に就きたいという思いが強くあり、いずれはパラリーガルとして、世の中の人々と深く関わっていきたいと考えております。貴事務所では少人数体制ながらも外部との研修にも参加できるなどの教育制度が整っており、パラリーガルとしてしっかり成長をしていける環境があることに魅力を感じました。もちろん自ら進んで努力し、学んでいく姿勢も忘れずに臨む覚悟はできております。

どうぞ宜しくお願いいたします。

引用元:https://shigetsugu-law.com/wp/archives/573

■新卒の場合

司法浪人を続けるよりも、法律知識を早く人の為に役立てたいと考えていたところ、パラリーガルが日本でも知的職業として確立しつつある、との御事務所の考えに共感し、志望しました。大学では刑法ゼミ(○○○○教授)、憲法ゼミ(○○○○教授)に所属しました。大学院では実務科目を重視し、民事・刑事の裁判演習、企業法務や労働法の学習に力を入れました。将来的に、司法試験の再受験機会をいただけるとありがたいです。

引用元:https://www.chance.jobs/siboudouki/lawyer.html

 上記の2つの例文は、志望動機の書き方①~④のいずれかに触れているため、参考になるでしょう。

 

終わりに

 パラリーガルを志望する方が年々増加傾向にあります。未経験からパラリーガルを目指している方も多いでしょう。その際、志望動機をどのように書こうか悩むことが予想されます。そんな時に、ぜひ本記事で紹介した書き方を参考にしてみてください。