債務整理に強い弁護士事務所へ転職するとどんな経験が積める？

　弁護士の方の中には「ゆくゆくは独立したい」等、目標を持って働いている方もいるのではないでしょうか。本記事では債務整理に強い弁護士事務所へ転職するとどのような経験を積めるのかをお伝えさせていただきます。

債務整理とは

　債務整理とは、多額の借金を負った方が、生活を再建するために借金の負担を軽減もしくは免除してもらう手段です。債務整理には、以下の3つの手段があります。

　任意整理とは、賃金業者と交渉して債務額を減らしたり、月々の返済額を減らしたり等、現在の支払いよりも負担を軽くする手続です。弁護士が代理人になる場合は、依頼者の方と毎月支払いに回せる金額について話し合ったうえで、賃金業者と和解交渉をしていきます。

　和解交渉とは、利息制限法の利率で計算し直した負債額について、賃金業者と利息のカットや分割回数について交渉をすることです。さらには、今後の返済計画を話し合いで決めていきます。

・利息制限法とは

　一定の利率を超える利息を制限し、高利の取締りを目的とした法律です。そうすることで、消費者を保護するという目的があります。

　自己破産とは、裁判所を通じて財産を清算し、借金の免除を求める手続のことを指します。自己破産手続きには2つのステップを踏みます。

　1つ目は自身の収入では返済を継続することが出来ないことから、処分の対象となり得る財産を処分し、返済額を捻出します。2つ目は、財産の処分を行っても払い切れずに残ってしまった借金額の免除です。

　以上2つの工程を行うことが自己破産手続きです。

　個人再生とは、裁判所を通じて借金を減額してもらう手続です。裁判所に申立書を提出するため、手続に必要な資料収集等の手間はあります。とはいえ、借金額が5分の1に減額出来るため、一般的には任意整理よりも借金を減らすことが出来るのです。

　債務整理は、色々な事件が複合的に絡む合うことが少なくありません。

　たとえば、「いきなり解雇を言い渡されたために、生活に困り借金を重ねてしまった」という労働問題のケースが挙げられます。または、「“必ず儲かる”と強引に勧誘をされ借金をしてまで高額な投資をしてしまったが全く稼げなかった」という消費者問題のケースもあるのです。

　このように、債務整理の裏に潜んでいる様々な問題も同時に解消しなければ、根本の解決にはつながりません。そのため、労働・消費者問題をはじめとした離婚や相続等の法律問題も併せて対応するのが、債務整理に強い弁護士事務所の特色でもあります。

　このように、債務整理に強い弁護士事務所は、様々な分野をカバーすることになります。そのため、弁護士として様々な分野の経験を積みたいという方は、債務整理に強い弁護士事務所に転職するというのも一手でしょう。

　転職の検討をされている方は、ぜひ参考にしてみてください。