税理士になるためには、税理士試験で5科目以上合格しなければなりません。
 但し、税理士試験は1回の試験で5科目を合格する必要はありません。複数回、受験して、通算で5科目以上を合格すれば、税理士になれるのです。

 科目別の合格率は10~20%と低い水準で推移しており、税理士試験は難関で知られています。そのため、既に数科目合格している受験者が多くいます。

 そのような、税理士試験の数科目合格している者のことを、科目合格者と呼んでいます。 
 科目合格者の中には、税務の経験を積みながら税理士試験の勉強をしている科目合格者も少なくありません。

 本記事では、そんな科目合格者の年収にスポットを当てていきたいと思います。

 

科目合格者の平均年収

 科目合格者の平均年収は、合格している科目数によって異なります。
 1~3科目に合格している人の平均年収は、350~400万円が相場です。4科目に合格すると平均年収は約450万円とに上がります。

 そして、5科目合格し有資格者になれば、税理士未登録で約500万円、登録していれば600~700万円が平均年収です。 科目合格者は、合格している科目数が増えるにつれ年収が上がると言えるでしょう。

 

科目合格と資格手当

 多くの事務所は、科目合格者に資格手当が支給しています。支給額は合格している科目数によって異なります。
 多くは、1科目につき月額5000~10,000円支給されます。年収に換算すると、1科目につき60,000~120,000円アップします。

 

実務経験やスキルも年収に影響する

 会計事務所の場合、科目合格数だけでなく実務経験やスキルも年収の決定に加味されるケースが多いです。
 年齢を気にする方もいるかもしれませんが、こと、会計事務所界隈においては、実務経験やスキルが重視される傾向にあります。

 とりわけ、大手の会計事務所は、即戦力を求めている傾向があるため、実務経験の有無にシビアです。一方、個人の会計事務所や新人育成に余裕のある中堅会計事務所等は、実務経験の有無を問わないケースが少なくありません。

 

科目合格者の会計事務所選びのポイント

 科目合格者が年収を上げるためには、科目合格数を増やすことが1番に挙げられます。
 そのためには、税理士試験の勉強をする必要があります。

 そこで重要になってくるのが、事務所の選び方です。連日残業続きの事務所を選んでしまうと、税理士試験の勉強をする時間を確保出来ません。
 勉強時間を確保出来るように、残業が少ない事務所を選ぶとよいでしょう。最悪、繁忙期のみに残業が集中する事務所ならOKです。その場合、繁忙期が試験期間と被らない事務所が理想でしょう。

 また、税理士試験の勉強に理解がある事務所もオススメです。そのような事務所は試験が近づくと、勤務時間を短くする等、協力的です。

 

税理士科目合格者の年収は増加傾向

 税理士科目合格者の年収は増加傾向にあります。それは、税理士科目合格者の価値が上がっているためです。

 かつて、会計事務所では「税理士有資格者」や「税理士試験3科目以上の合格者」が多く採用されていました。
 ですが近年では、「税理士試験2科目以上の合格者」や「会計実務未経験者」等が採用対象者になっています。ハードルが低くなっている一方で、科目合格者のニーズが高まっている傾向にあると言っていいでしょう。

 つまり、科目合格者の価値は上がっているのです。

 

科目合格者の求人情報

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