近年、インターンシップを実施する企業が増えている一方で、「エクスターンシップ」という制度を実施する企業を目にします。
 インターンシップとエクスターンシップは、いずれも学生が企業等の団体に入って就業体験をするため、一見、同義のように考えられます。
 しかし、インターンシップとエクスターンシップには明確な違いがあります。

 本記事ではインターンシップとエクスターンシップの違いについてお伝えします。

 

エクスターンシップとインターンシップ

 エクスターンシップとインターンシップは、大学生が学外で行う研修のことをいいます。
 現在、企業や団体、地方自治体等で、広くインターンシップやエクスターンシップが実施されています。

 

エクスターンシップとインターンシップの違い

 ただ、エクスターンシップとインターンシップには次に挙げるような違いがあります。

【違い①】目的

 まず、実施する目的が異なります。
 エクスターンシップの目的は、就業体験を通して職業への理解を深め、学習やキャリアビジョンの形成に役立てることがメインです。そのため、就職とは直接関係なく、教育の一環として行われます。
 学校によっては、エクスターンシップに参加すると単位を取得出来ます。

 対して、インターンシップは、就職活動での企業と学生のミスマッチを減らすことを目的に実施されます。学生は、インターンシップを通して業務や企業について理解を深めます。一方で、企業側は、自社に合う人材探しとしてインターンシップを活用しています。

【違い②】募集対象

 実施する目的が異なると、自ずと募集対象が異なります。
 エクスターンシップは、仕事内容に興味があったり、単位取得を目的だったりする人を対象に募集されます。大学生の低学年に絞った募集が多いです。
 対して、インターンシップは就職を希望する人が対象です。そのため、大学3,4年生に対して募集されます。

【違い③】期間

 エクスターンシップに比べ、インターンシップは期間が長い傾向にあります。
 というのも、インターンシップは就職を見据えて実施されるためです。中長期的に職場体験をして判断してもらおう、という企業側の意図があると考えられます。

 エクスターンシップが数日から1週間程度にかけて短期間で実施されるのに対して、インターンシップは数週間から1年程度です。

【違い④】企業の担当者

 目的が異なるため、企業の担当者も異なります。
 人材確保の一環として行われるインターンシップの場合は、人事部が担当するケースが多い傾向にあります。
 対して、エクスターンシップは職業体験のプログラムになるため、担当者は様々です。

【違い⑤】給与

 エクスターンシップはあくまでも職場体験であり、授業の一環として捉えられているので、一般的に給与は発生しません。
 インターンシップは、実際に社内で業務に取り組んでもらうために対価が発生します。

【違い⑥】就業先での立場

 就業先での立場も異なります。
 エクスターンシップの場合、あくまでも職場体験なので学生という立場で業務を行います。しかし、インターンシップは実習生という立場になるので、社内の人という扱いになります。

 

法律事務所でもエクスターンシップが実施されている

 法律事務所でも法科大学院生を対象にエクスターンシップが実施されています。法科大学院(ロースクール)生の方で、法律事務所のエクスターンシップに参加したい人は、大学に問い合わせて確認してみてください。