みなさんは「パラリーガル」という職業をご存知でしょうか?近頃、ドラマやニュースで話題になったため、「パラリーガル」という言葉のみを知っている方も少なくないのではないでしょうか。
まだまだ世間に浸透しているとは言えませんが、パラリーガルは弁護士が日々の業務を行う上で、欠かせない存在です。
そこで、今回は聞こえてきそうな疑問「パラリーガルとはどういう意味ですか?」に答えていきたいと思います。
パラリーガルとは
パラリーガルとは、弁護士の指示の下、法律事務を遂行する者のことをいいます。パラリーガルは、医療業界で例えると医師をサポートする看護師と言えるでしょう。
パラリーガルは、法律に関する専門的な知識が求められる性質上、一般事務とは区別されます。
なお、パラリーガル(paralegal)は、para(補助的な)とlegal(法的)の2つの単語を組み合わせて出来た造語です。
パラリーガルが誕生したきっかけ
パラリーガルの発祥の地はアメリカです。
1960年頃、アメリカでは社会変化により法的サービスの需要が高まり、弁護士と秘書だけでは業務過多になっていました。そこで、法律に関する事務を遂行出来る人の必要性が高まり、パラリーガルが誕生したのです。
アメリカと日本のパラリーガル
現在、アメリカでは、大学や専門学校等でパラリーガルの養成を行われるほどパラリーガルが広く認知されています。
一方、日本ではパラリーガルの認知度は低いです。それは、公的な資格として認められていなことが一因に考えられます。
但し、数年前から日本弁護士連合会が、パラリーガルを対象とした「法律事務職員能力認定試験」を実施しています。このようにパラリーガルの仕事である法律事務の能力を認定する制度も整ってきており、日本では今後、パラリーガルがますます注目される職業になると予想されます。
パラリーガルの仕事内容
パラリーガルの仕事内容は、大きく分けると秘書業務と法務があります。それぞれの業務について見ていきましょう。
秘書業務
秘書業務では、以下の弁護士をサポートする仕事を行います。
◇電話応対
相談依頼者や裁判所等から架けられてくる電話に応対します。
◇スケジュール管理
弁護士が業務を遂行しやすいよう、スケジュールの管理を行います。また、テレビや雑誌等のメディア出演をする際の調整も行います。
◇来客対応
来訪予定者や、飛び込みの相談者等の応対をします。
◇書類提出
裁判所や弁護士会等に行って書類を提出します。
◇一般事務
コピーやFAXをはじめ、事件毎にファイリングする等を行います。
法務
法務では、法律に関する事務を中心とした以下の業務を遂行します。
◇相談依頼者の情報をまとめる
相談前までに、依頼者の住所や氏名、必要な範囲内での家族構成等をリスト化します。
◇法律相談や打ち合わせに同席
相談内容や打ち合わせ内容を記録に取り簡潔にまとめます。
◇資料収集
法律・判例・文献等を活用し、事件に関連する資料を収集します。
◇書類作成
証拠申出書や陳述書等の裁判所に提出する書面の作成を行います。
◇裁判所への同行
裁判所で行われる弁論等に同行し、傍聴席で記録の書き留め等を行います。
◇相手方業者との交渉
借金整理に関する事件の場合、相手方業者と和解の交渉をしたり、和解契約書の作成を行ったりします。
以上に列記した秘書業務と法務は、事務所の方針や取り扱う分野等によって任される業務は異なります。
キャリアパス
パラリーガルになる方は、その先に法律資格の取得を見据えている方が多いです。実際に、司法試験に合格して弁護士になったり、法律資格の司法書士・行政書士の資格を取得したりしています。
つまり、将来弁護士等になることを志している方が、キャリアアップの一環としてパラリーガルになるケースが多いのです。
パラリーガルに向いてる人
弁護士のサポートをするパラリーガルは、どのような人が向いているのでしょうか。
人をサポートするのが好き
パラリーガルは、弁護士の指示の下で業務を遂行するので、アシスタント役に徹します。そのため、人のサポートをすることが好きな人にパラリーガルは向いているでしょう。
正確性に優れている
法律事務は、書類の記入方法や提出方法等、ルールが細かく決められています。また、書類1枚が、クライアントの人生を左右するケースさえあります。そのため、誤字脱字やケアレスミスは絶対に許されません。
細かい部分にも気づけるような、正確性に優れている人が向いていると言えるでしょう。
向上心がある
パラリーガルは、法律や判例を自身で調べて書類作成することが求められます。新たな知識を必要とされる場面が多いため、向上心を持って業務に取り組める人が向いているでしょう。
パラリーガルになるには資格・知識は不問
パラリーガルになるには、特別な資格や知識は必要ありません。実際、弁護士事務所のパラリーガル募集要項を見ると、資格の有無や学歴が問われないケースが見受けられます。
そのため、法律の知識がなくてもパラリーガルになることは可能です。法的な知識がない場合、はじめは専門スキルが問われない秘書業務やメインに担当して、徐々に法務の経験を積むことも出来ます。
パラリーガルは、実務を通じて法的スキルを身につけることが出来る職種なのです。
パラリーガルのなるのに資格の取得も一手
とはいえ、準備をしっかりしてパラリーガルになりたいと考えている方いるでしょう。そのような方は、資格や学校に行くとよいでしょう。それについてはこちらの記事「パラリーガルになるには資格の取得が最たる近道」で詳しく説明しているので併せてご覧ください。
パラリーガルが分かるドラマ
ちなみに、パラリーガルについて詳しくなれるドラマがあります。それは、松本潤主演の「99.9-刑事専門弁護士-」です。
このドラマ内では、パラリーガルの法律業務が随所に描かれています。若干誇張して描かれているものの、法律事務所の監修を受けているため、パラリーガルの仕事内容を掴みたい方にとっては参考になるドラマと言えるでしょう。
パラリーガルの求人
そんなパラリーガルの求人は以下で閲覧することが出来ます。
弁護士会のホームページ
各地方の弁護士会のホームページでは事務職員求人のコーナーが設けられています。そこから応募したい法律事務所に直接応募する方法があります。
SEEK
本サイトSEEKでは、パラリーガルの募集をしています。~や~等の機能も取り揃えてあり、求職者にとって探しやすいシステムになっているためオススメです。
まとめ
パラリーガルの意味について理解していただけたでしょうか。
法務や秘書業務を行うパラリーガルは、アメリカのように専門職としての地位を確立されているとは言えませんが、ニーズが高まっているため、将来性のある職種と捉えることが出来ます。
パラリーガルになることを検討している方は本記事を参考に求人募集をしてみてはいかがでしょうか。