転職するために資格を取得する、そうお考えの方もいるでしょう。自社の製品やサービス等の情報を消費者に広げることを仕事にしている、広報にも資格があります。
この記事では、広報の仕事に役立ったり、就職・転職活動に有利に働いたりする資格をご紹介させていただきます。
広報の資格は就職・転職活動に有利に働く
広報の仕事は、専門性の高い知識等がなくても、実務をこなすことで知識やスキルを身につけることが出来ます。そのため、資格を保有せずに広報の仕事をしている方は少なくありません。
とはいえ、広報の資格を保有していると、スキルや知識を持っている証明になり、就職・転職活動に有利に働くことがあります。
求人案件によっては、所定の資格を保有している人のみが限定して、採用選考に参加できる等、採用確率を上げる一助になってくれることもあるのです。
PRプランナー資格認定制度
そんな広報の資格として、真っ先に挙げられるのが「PRプランナー資格認定制度」です。
PR会社・企業広報の発展に尽力している「公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会」が主催するこの検定試験に合格すると、広報に必要な知識・スキルを有することを証明出来ます。
3つの称呼
試験は、1~3次試験まであり、それぞれの試験合格者に「PRプランナー補」「准PRプランナー」「PRプランナー」と称呼を与えられるのが特徴です。
◇PRプランナー補
1次試験に合格し、指定の書類審査に合格すると取得出来ます。
広報・PRの実務に従事するために、必要最小限の基礎知識を有することを認定します。
◇准PRプランナー
1~2次試験に合格したのち、指定の書類審査を通過すると与えられる肩書きです。
広報・PRの仕事をこなすために必要な専門知識を有していることを認定する資格です。
◇PRプランナー
1~3次試験の通過者で、指定の書類審査に合格した者に与えられる呼称です。
日常的な広報・PR業務をこなせるうえ、広報・PR責任者をサポート出来る知識や提案能力を有していることを認定します。
・PRとは 製品やサービス等を通して、自社に対しての理解や信頼の獲得を目的にする行為をいいます。 |
試験の難易度
「PRプランナー資格認定制度」の難易度を、それぞれの試験の合格率から見ていきましょう。
1次試験
2017年3月 78.8%
2017年8月 77.9%
2018年3月 76.1%
引用元:http://pr-shikaku.prsj.or.jp/about/pass_1st_exam
2次試験
2016年11月 79.1%
2017年5月 78.9%
2017年11月 78.7%
引用元:http://pr-shikaku.prsj.or.jp/about/pass_2nd_exam
3次試験
2017年1月 52.4%
2017年7月 53.0%
2018年1月 43.3%
引用元:http://pr-shikaku.prsj.or.jp/about/pass_3rd_exam
過去3回を遡って見ると、1次試験と2次試験の合格率は、ほぼ差がありません。ただ、3次試験に限っては、1、2次試験の合格率を約25%下回っていることが読み取れます。
合格率から言えることは、3次試験は1,2次試験より難易度が高いということでしょう。
PRプランナーの勉強法とは
続いて「PRプランナー資格認定制度」の試験に向けた、勉強法について触れていきます。
この資格の勉強は、「公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会」が公式に販売している、以下のテキストと過去問を活用した独学がオススメです。
■テキスト
「改訂版広報・PR概論」
「PRプランナー資格認定制度1次試験対応テキスト」
「PRプランナー資格認定制度1次試験対応テキスト」
■過去問
「広報・PR資格試験過去問題集」(1~3次試験までの過去問が載っています)
他に転職に有利な資格
「PRプランナー資格認定制度」についてお話したところで、それ以外の広報の資格についても見ていきましょう。
プロモーション・マーケター認証資格制度
プロモーション・マーケター認証資格制度とは、「一般社団法人日本プロモーションナルマーケティング協会」が、プロモーション能力を備えた人の育成を目的とした資格です。
・プロモーションとは 消費者の購買意欲を喚起する活動のことを呼びます。例えば広告や商品発売イベント等がプロモーションに当たります。 |
この資格では、広報に必要なプロモーションの手法やターゲット設定、企画立案等、広報業務の一連の流れを学ぶことが出来ます。
大企業では、広報とプロモーションの業務は分担されることが多いですが、中小企業の場合は、それらを一手に担うケースが少なくありません。
そのため、プロモーションの知識も身につけておくと、役に立つ機会が訪れるでしょう。
受験料 | 32,400円 |
試験頻度 | 年1回 |
合格率 | 非公開 |
主な勉強法 |
・テキストを活用した自主勉強 ・一般社団法人日本プロモーションナルマーケティング協会が主催している講座の受講 |
→「プロモーション・マーケター認証資格制度」の試験日程等の詳細を知りたい方は、こちらをご覧ください。
商品プランナー
「商品プランナー」の資格試験は、JMCP日本商品開発士会が主催しています。「商品プランナー」では、商品・サービス企画をするうえで必要となる、マーケティング(商品・サービスが生産者から消費者へ円滑に伝わるようにするための活動)や広報について学べる資格です。
他にも、著作権や商標権等の法律の知識が身につくことも期待出来ます。広報担当者として、ステップアップをしたい方には有用な資格と言えるでしょう。
受験料 | 7,560円 |
試験頻度 | 年1回 |
合格率 | 『75~80%程度』 (『http://www.jmcp.jp/planner/faq.html』) |
主な勉強法 | テキストを使った独学 |
→「商品プランナー」の試験日程等を知りたい方は、こちらをご覧ください。
IRプランナー
「IRプランナー」とは、「日本IRプランナーズ協会」が認定する資格です。この資格を取得すると、 IR(投資家向けに自社の経営情報を発信すること)を行ううえでの必要なスキルが認定されます。
企業によっては、このIRと広報を一緒くたに任されることがあるため、「IRプランナー」を取得しておくと仕事の幅が広がる可能性があります。
受験料 | 8,640円 |
試験頻度 | 年2回 |
合格率 | 『72.7%』 (『http://www.jmcp.jp/planner/faq.html』) |
主な勉強法 | 「日本IRプランナーズ協会」が主催する講座の受講 |
→「IRプランナー」の試験日程等を知りたい方は、こちらをご覧ください。
WEB解析士
WEBのマーケティングやアクセス解析を勧奨している「一般社団法人ウェブ解析士協会」が主催している「ウェブ解析士」もオススメの資格です。近年、WEBを利用した広報活動は必須になっています。そのため、アクセス解析やWEB広告の運用等のスキルが問われます。そのようなスキルを学べるのが「ウェブ解析士」なのです。
WEBの関する知識を習得した方にとっては、打って付けの資格でしょう。
受験料 | 17,280円 |
試験頻度 | 毎月複数回の実施 |
合格率 | 『57%』 |
主な勉強法 |
・テキストを活用した自主勉強 ・「一般社団法人ウェブ解析士教会」が主催する講座の受講 |
→「WEB解析士」の試験日程等を知りたい方は、こちらをご覧ください。
DTP検定
DTP検定は、DTPクリエイターのセンス・技術を認定するための検定試験です。DTPとは、DeskTop Publishing(デスクトップパブリッシング)の略称で、パソコンでデータを作成し、実際に印刷物を作成することです。
広報では、販促物を作成する際にパソコンでレイアウトやデザインを考えなければならない場面があります。その際、このDTPのスキルが問われます。実務をする中でスキルを身につけることは可能ですが、資格を持っておくとDTPのスキルを持っていることを証明出来る武器になります。
受験料 | 10,000円 |
試験頻度 | 年末年始を除いて毎日実施 |
合格率 |
2007年度7~9月 ・Ⅰ種:38.6% ・Ⅱ種:50.0% ・Ⅲ種:57.6% 引用元:http://shikaku.biglobe.ne.jp/shikaku_cal/webdtp/dtp-kentei.html |
主な勉強法 | テキストや過去問を使った自主勉強 |
→「DTP検定」の試験日程等を知りたい方は、こちらをご覧ください。
ビジネス文書検定
プレスリリースの作成(マスコミ等に向けた告知文書の作成)を行う広報にとって、ビジネス文書のライティングスキルは必要不可欠です。
そんなライティングについて学べるのが「公益財団法人実務技能検定協会」が主催する「ビジネス文書検定」です。
文章に自信がない方は、実用的なスキルを学ぶ機会として受けることをオススメします。
受験料 |
1級:5,800円 2級:4,100円 3級:2,800円 |
試験頻度 | 年2回 |
合格率 |
2017年12月 1級:27.2% 2級:59.5% 3級:83.4% 引用元:http://shikaku-kentei.babyblue.jp/page095.html |
主な勉強法 | 過去問を解く自主勉強 |
→「ビジネス文書検定」の試験日程等の詳細を知りたい方は、こちらをご覧ください。
終わりに
広報は仕事の性質上、スキルを証明することが難しい職種でもあります。そんな時に、以上でご紹介させていただいた広報の資格を保有していると、スキルを証明することが出来ます。就職・転職活動の手助けになってくれることもあるでしょう。
広報への就職・転職をお考えの方は、ぜひ本記事を参考に広報の資格を取得してみてはいかがでしょうか。