未経験の方が総務に転職をする際、いの一番に戸惑うのが志望動機をどう書けばよいか、ということではないでしょうか。
 具体的には以下のように直面するでしょう。

「納得いく志望動機が見つからない」
「待遇で選んだから、志望動機に『給与がいいから』なんて書けない」
「総務って何をするか分からないから、そもそも何を書けばいいのか分からない」

 そう、総務とは社員をサポートする仕事であるため、総務自体に魅力を感じて応募するという方は少ないと言えるでしょう。

 そこで本記事では、未経験者の方が総務に転職する際の、志望動機の書き方についてお伝えしたいと思います。

 

総務とは

 まずは、総務がどのような仕事をするのかを把握していきましょう。総務の仕事内容は、以下のように4つの役割に分かれています。

役割 仕事内容
社内のサービススタッフ

・庶務業務

・文書の作成や管理

・福利厚生等の企業活動を円滑に進めるための業務

経営陣の補佐役 ・経営陣が業務や意思決定をするにあたって必要な情報の提供
会社全体をつなげるパイプ役

・社内報等の社内メディアに企画運営

・ICT(情報通信技術)等のインフラ整備

・社内イベントや施策の告知通達

会社全体で行う活動の推進役 ・株主総会や入社式、納会等の全社で行うイベントの企画運営

 総務は実に幅広い業務を担っています。但し、会社によって仕事の範囲は異なります。

 

志望動機を書く際のポイント

 入社前から志望する会社の業務範囲を把握することは出来ません。ですので、履歴書に志望動機を書く際は、業務内容に触れるより以下のポイントに触れながら書くのがベターです。

【ポイント①】何に挑戦したいのかを明確にする

 採用担当者は、応募者が入社後、積極的に仕事を取り組んでくれるかどうかを見ています。そのため、総務部の従業員として描くキャリアプランを伝えることが何よりのアピールポイントになります。
 それによって、採用担当者はあなたを積極的に仕事に取り組んでくれる人材と見てくれるでしょう。

【ポイント②】「なぜ総務なのか」を明確に伝える

 未経験者の方が志望してきた場合、採用担当者は「なぜ総務を選ぶのか」を注視しています。「総務ならば楽そう」という安直な考えはNGです。

 他の志望者と差がつくように、「キャリアチェンジしてでも総務に就きたい理由」を明確に示しましょう。その理由を、具体的なエピソードや経験を交えるとより伝わります。これについては後述の例文を通して詳しくお伝えします。

【ポイント③】コミュニケーション力が長けていることを伝える

 総務部は、社長から新入社員まで様々な立場の人と関わっていくため、誰とでも上手に人間関係を築けるような人が必要とされる傾向にあります。そのため、過去のエピソードを通してコミュニケーション力に長けていることをアピールするのが肝心です。

【ポイント④】コツコツと取り組める点を伝える

 総務は社員のサポート役を担う性質上、花形の仕事とは言えません。そして、事務作業が多いです。そのため、コツコツと仕事に取り組ける姿勢が必要です。
 黙々と仕事をこなせる素質を持っている点を志望動機で強調するのも有効でしょう。

【ポイント⑤】パソコンスキルを持っている

 総務はパソコンを使用した業務がメインです。MOSや日商PC検定等、パソコンスキルを証明出来る資格を保有していたらアピールしましょう。

 

志望動機の例文

 それでは、以上5つのポイントを踏まえながら志望動機の例文を見ていきましょう。

愛用品がある会社を志望する場合

私は貴社の○○を昔から愛用しています。○○は消費者のことを考えて素材を限定しているため、多くの年代の方から長く愛されており、そのような製品を作り出す会社で働いてみたいと思い、貴社を志望いたしました。

私には生産に関する知識はありませんが、パソコン検定1級のスキルと、飲食店のアルバイトで身に付けたコミュニケーション能力を活かしながら、新たなスキルをできる限り早く取得して、会社に貢献したいと考えています。

引用元:https://shukatsu-mirai.com/archives/79278#i-2

[グッドポイント]
 志望する会社の商品が好きなことをアピールした上で、会社の志望動機に繋げることで企業研究がしっかり出来ていることをアピール出来ます。
 また、未経験でありながらも職種に必要なスキルを取得していることをさりげなくアピールすることで即戦力であることをアピールしているのがグッドです。

関心度の高い会社を志望する場合

貴社の工場を見学した際に、担当の方が生き生きと楽しそうに説明されていたのを見て、楽しく誇りを持って仕事ができる会社だと感じて貴社を志望しました。

総務事務を志望した理由は、陸上部でマネージャーをしていた際に、裏方から人を支える仕事の重要性を感じ、そのような仕事に就きたいと感じたからです。少しでも早く仕事を習得し、皆様の力になりたいと考えています。

引用元:https://shukatsu-mirai.com/archives/79278#i-2

[グッドポイント]
 志望する会社の工場を見学したことを述べることで、会社への関心度が高いことをアピール出来ます。その際、感銘を受けたことがきっかけで志望に繋がった経緯を述べましょう。裏方から人をサポートする重要性を理解していることか、「なぜ総務を志望するのか」の理由にも繋がります。

 また、その理解は、採用担当者にとっては信頼に繋がります。「辞職せず頑張ってくれそうだから採用にしよう」となる可能性があります。

企業理念に共感していることをアピールしたい場合

貴社を志望する理由は、「消費者の安全・安心を第一に生産する」という企業理念が、私の食に対する安全性の考えと一致していたからです。美味しく安全性の高い商品を生産されている社員の方々を陰から支えることならできると思い、総務事務を志望しました。

仕事は多岐にわたると思いますが、持ち前のコミュニケーション能力を活かしながら、資格を積極的に取得し、可能な限り早く会社に貢献したいと考えています。

引用元:https://shukatsu-mirai.com/archives/79278#i-2

[グッドポイント]
 企業理念に共感することは、その企業を選んだ理由に繋がります。また自身の考えを述べることで総務部を志望する理由にも触れられています。また、資格を取得し会社に貢献するという意気込みが感じられます。

コミュニケーションスキルをアピールしたい場合

私は、社会や地域の人々のために仕事をしていきたいという思いがあり、ボランティア活動や地域の行事に積極的に参加してきました。このような時には、大勢の人々が集まるので状況の把握に敏感でないとなりませんでした。常に周りの状況を把握しながら、必要な手助けをする事にやりがいを感じています。総務事務に努めることで、働く仲間のサポートとして貴社に貢献していきたいと考えております。

引用元:https://shukatsu-mirai.com/archives/79278#i-2

[グッドポイント]
 ボランティア活動や行事に積極的に参加し、コミュニケーション力を磨いてきた過去に触れています。また、人に役に立ちたいという考えは、社員のサポート役を担う総務の役割と親和性が感じられるため印象がよいです。

営業から総務職への転職の場合

私は前職では営業職でしたが、(1)書類、資料の作成や他部門との折衝を行うなど、周囲との連携や周りのスタッフへのサポートを行うことが多く、幅広く周囲へのサポートができる総務職に興味を持ち志望いたしました。私自身も昔から(2)人の力になることが好きで、陰日向なく人を支えていくことが楽しく、明るい性格なので会社の顔となる総務の仕事に向いているのではないかと思っております。未経験ではありますが、(3)パソコンは基本的なスキルや知識があり、ワード・エクセルなどは問題なく使いこなせています。現在は、(4)今年の8月に実施される社会保険労務士試験に向けて更なる勉強を行っております。前職で培った経験を活かし、社員の方々がスムーズに連携を行えるようにサポートを行っていき、さらにスキルアップも目指して行く所存です。

引用元:http://rireki-info.com/douki_reibun/douki_soumu.html

[グッドポイント]
・(1)では、なぜ営業から総務へ転職しようとしているのかが明確に書かれています。
・(2)では自身の性格が総務に向いていることを伝えています。
・(3)では総務職で活かせるスキルをアピールしています。
・(4)では、総務職で即戦力になれるよう具体的な取り組みをしていることをアピール出来ています。

 

NGの志望動機例文

 次いで、NGの志望動機例文を1つご紹介します。言わずもがなの内容も含まれているかもしれませんが、NG要素を避けることで採用にグッと近づくこともあります。

【NG例文】

私が貴社を志望した理由は、残業が少なく近くに繁華街があるため、仕事帰りに必要な買い物を済ませて帰ることができると感じたからです。また、総務事務を志望する理由としては、自分自身の注意力が散漫であるため、生産工程を志望するとミスでご迷惑をおかけしてしまうと考え、生産と直接接点の無い総務事務を選択しました。貴社に採用していただけたら、全力で頑張りますので、よろしくお願いします。

引用元:https://shukatsu-mirai.com/archives/79278#i-0

[バッドポイント]
 「残業が少ない」と述べると、待遇で選んだと思われるためやる気のない応募者と思われるおそれがあります。また、「繁華街から近い」も、業務外の要素が理由で志望していると捉えられ、不採用になる可能性があります。

 また、総務はミスをしても大丈夫と暗に表現しているのはマイナスの印象を強く抱かれるでしょう。

 

面接での志望動機

 面接で志望動機を述べる際は、履歴書に書いてある内容に沿ったもので問題ありません。ただ、書いてある内容を思い出しながら棒読みしているような話し方になってしまうと、途端に意欲が感じられなくなるおそれがあります。

 ですので、履歴書に書いてある内容を話し言葉に噛み砕いて伝えるように心掛けましょう。

 

終わりに

 未経験者にとって志望動機は自身をアピールする絶好に機会です。総務への転職をしようと考えている方はぜひ本記事を参考に志望動機を仕上げてみてください。

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