2019年4月1日に新元号の令和が発表されました。それにより、2019年5月1日から令和がスタートします。
 そこで気になるのが、令和初年は「令和1年」と「令和元年」のどちらの言い方になるのか、という疑問です。就活生や転職活動をしている方は、履歴書に学歴・職歴欄を記入する際にこの問題にぶつかるのではないでしょうか。

 今回は履歴書を作成する際、「令和1年」と「令和元年」のどちらが正しいのか、をテーマにしていきます。

 

「元年」とは

 そもそも「元年」とはどのような意味を持っているのか、について触れていきます。「元年」という言葉には次のような意味があります。

・天皇が即位した最初の年
・年号が改元された最初の年
・ある物事がスタートした年

 いずれも、「元年」は物事が始まる最初の年のことを指しています。つまり、令和の初年を「令和元年」と呼ぶのは適していると言えるでしょう。

 

「令和元年」が正しい

 とはいえ、本記事のテーマは「令和元年」と「令和1年」どちらが正しいか、です。
 これについては、昭和から平成に改元された際の、政府から法務局長宛に送付された通達によって明確になります。その通達によると、戸籍事務について新元号の初年は『平成元年』と記載する(昭和64年1月7日法務局省民2第20号法務局長、地方法務局長あて民事局長通達)」と記されています。

 したがって、「令和1年」ではなく「令和元年」が正しいと言えるでしょう。

 

いつからいつまでが令和元年?

 では、いつからいつまでが「令和元年」なのでしょうか。分かりやすく下記に表にしてまとめました。

 

西暦 和暦
2019 平成31年
令和元年
10
11
12
2020 令和2年

 

 上記のように、2019年1日1日~4月30日が平成31年。2019年5月1日~12月31日が令和元年。2020年1月1日からは令和2年になります。

 5月から令和に改号されるため、2019年1月1日~4月30日も令和元年扱いになると考えている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。あくまでも、その期間は平成31年のままです。
 また、令和元年が2019年5月1日からスタートするため、その終わりは1年後の2020年4月30日と思っている方もいるようです。しかし、それも誤りです。次年になるタイミングで令和2年になります。

 

2019年度は平成31年度?令和元年度?

 履歴書には年度表記することはありませんが、「2019年度は平成31年度と令和元年度のどちらになるのか」についての疑問も多いため、併せて説明させていただきます。

年度とは

 そもそも年度とはどういう意味なのでしょうか。

 年度とは、暦とは別に特定の目的のために規定された1年間の区切りのことを言います。一般的には、4月1日から翌年3月31日までの1年間が年度に規定されています。年度区切りの代表例としては、会社の会計年を区切る会計年度や、学校の学年を区切る学校年度等が挙げられます。

2019年度=令和元年度

 では、年度名はどのように決まるのでしょうか。
 一般的に年度は4月1日から始まることから、4月1日時点の元号で年度名が決定すると考えられています。その考えに基づくと、「2019年度=平成31年度」になります。

 ところが、4月2日に政府が「国の会計年度の名称について」の発表をしています。それによると、「改元日がある年度は、年度全体を通して『令和元年度』とする」としています。
 これにより、多くの自治体や企業は2019年度を令和元年度にすると予想されます。

 ですので、「2019年度=令和元年度」という考え方が賢明かもしれません。

 

最後に

 履歴書には「令和1年」ではなく「令和元年」で記入するのが正しい記入方法と言えます。本記事で分かりやすくまとめた表と照らし合わしながら、学歴・職歴を間違えないように書きましょう。