営業から経理への転職を目指す際に悩むのが志望動機ではないでしょうか。何を伝えるのが理想なのか分からないという方は少なくないでしょう。
 今回は、営業から経理に転職する際の志望動機について深掘りしていきたいと思います。

 

経理の仕事内容

 まず、志望動機を考える前に、経理の仕事内容について把握しておきましょう。それを把握することで、より精度の高い志望動機に仕上がることが期待出来ます。
 経理の主な仕事内容は、日々の活動取引を記録した「伝票」や「帳簿」等の書類を集計することです。

 会社で行われた様々な取引は、各部署の担当者によって売上伝票等の「伝票」に記録されます。経理担当者は、各部署の「伝票」を集めて「帳簿」にまとめます。
 帳簿への記録は、仕訳といわれる簿記(帳簿に分かりやすく記録する技術)のルールに沿って行います。

 その他にも経理には幅広い業務があります。その一部をご紹介します。

◆入出金の管理
◆収支バランスの管理
◆事業部と収支に関する交渉
◆決算書の作成
◆有価証券報告書(企業内容が開示された外部向けの資料)等の作成
◆税理士・公認会計士との折衝(税理士・公認会計士に作成した決算書等をチェックしてもらうこと)
◆原価計算(商品をつくるために、いくらお金がかかったのかを計算すること)
◆経理ルールの作成・改善
◆連結決算(子会社や関連会社の会計を加算して決算すること)

 これらの業務をそれぞれ1日、1ヶ月、1年のサイクルで行っていきます。

 

営業での経験を活かして経理へ

 以上の仕事内容から、経理は会社のお金の動きを把握している必要があります。また、社内の様々な人と関わりを持つため、コミュニケーション能力も欠かせません。

 営業職だった人は、数字を意識して業務に取り組んできた経験があるため、会社のお金の動きについて理解している傾向にあります。また、業務の性質上、コミュニケーション能力も磨かれています。

 そのため、営業での経験を活かして経理に転職する方も少なくありません。

 

志望動機でアピールすべきポイント

 では、営業から経理に転職を希望している方は志望動機で、どのような内容をアピールすればよいのでしょうか。
 次の○点を押さえた志望動機をオススメ

①数字を意識出来る

 営業と経理の共通点は、数字と向き合って業務に取り組むという点です。
 営業職で「目標達成のために、どのような行動をしたのか」を伝えることで、数字を意識した仕事が出来ることをアピール出来るでしょう。

②経理を志望する理由

 採用担当者は、なぜ営業から経理に転職するのかを気にする方が多いです。ですので、その理由を明確に伝えるようにしましょう。その際、ポジティブな理由を言いましょう。
 例えば、次に列記するような理由がよいでしょう。

■営業先の売り上げだけでなく、コストについても考えるようになったのが経理に関心を持ったきっかけです。
■管理職になったのをきっかけに、会社から簿記の勉強をするように指示を受けました。簿記の勉強をしていく中で経理に興味を持つようになりました。
■営業担当として、新規の得意先の決算書を見て、取引を行うかどうかの判断を任されたのが、経理の仕事に興味を持ったきっかけです。
■会社の経営に関わる仕事がしたいと思い会計について勉強をしています。それを通して決算書を作る経理業務に興味を持つようになりました。
■前職の営業では、いかに利益を上げるかを目標に業務を遂行していました。その中で、必要経費や原価等の収支を把握する重要性に気づき、経理事務の仕事に興味を持ちました。

③その応募企業に興味を持ったきっかけを伝える

 採用担当者は、応募してきた求職者が「なぜ自社で働きたいのか」を知りたがる傾向があります。しかし、経理業務への思いが強い人は、その企業を応募した理由を伝えないケースが多いです。
 ですので、なぜその企業に応募したのかを志望動機に盛り込むようにしましょう。

④将来のビジョンを明確にする

 将来のビジョンを伝えるのも一案です。自身が将来どのようにビジョンを描き、それを実現させるために経理の仕事を選んだ、という流れで説明をするのがベターでしょう。
 以上①~④を押さえた志望動機にすることで、精度の高い志望動機になるでしょう。

 

志望動機の考え方

 では、具体的にどのように志望動機を考えればよいのでしょうか。それについては、こちらの記事「転職活動の成功のカギは「履歴書の志望動機」:書き方&例文集」で詳しく説明をしています。ぜひ併せて見てみてください。

 

未経験者は中小企業で採用されやすい

 経理の求人を見ると、企業によって待遇や環境が大きく異なります。
 大企業の場合は、業務が細分化されているので、専門的な業務を遂行しなければなりません。一方、中小企業では、経理担当者は少数精鋭なので、多岐に渡った業務遂行を余儀なくされます。

 経理未経験者を採用する可能性が高いのは、多岐に渡った業務遂行が求められる中小企業です。

 ですので、営業職で未経験から経理に転職を考えている方は、中小企業の求人に応募すると採用される可能性が高いでしょう。