行政書士になるためには、行政書士法第2条で以下のいずれかに該当する者でなければならないと定められています。
一 行政書士試験に合格した者 二 弁護士となる資格を有する者 三 弁理士となる資格を有する者 四 公認会計士となる資格を有する者 五 税理士となる資格を有する者 六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び行政執行法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上になる者 |
つまり、二から六に該当する者は行政書士試験が免除されます。ただ、六に関しては分かりづらい説明になっています。
今回は、六を噛み砕いて説明をしていきたいと思います。
公務員なら無試験で行政書士になれる
六を要約すると以下のようになります。
国家公務員または地方公務員を17年間(中卒の場合は20年間)勤続した者
そう、公務員として17年間あるいは20年間勤続すれば行政書士試験を受けずに行政書士になれるのです。
行政書士試験は、仕事をしながらちょっと勉強する程度では合格に手が届かない可能性が高いです。ですので、現在公務員で、上記の要件をクリアしている方は、行政書士試験が免除されます。
行政書士試験をパスして行政書士になることが出来るので、公務員の方はこの免除制度を使わない手はないと言えるでしょう。
公務員が免除される理由
そもそも、なぜ公務員は行政書士試験が免除されるのでしょうか。
行政書士は、官公署(各省庁・都道府県・市区役所・町村役場・警察署等)に提出する書類の作成や提出代理、契約書の作成、離婚や相続に関する書類の作成等を生業にしています。
対して、公務員は法律に則った書類作成を遂行する機会が多いです。
つまり、行政書士と公務員は共通の業務が多いのです。それが、公務員が行政書士試験を免除される理由と言えるでしょう。実際、公務員試験と行政書士試験での出題範囲は類似しています。
公務員が行政書士を取得するメリット
公務員が行政書士の資格を取得するメリットは、独立開業するチャンスが拓けるということです。
公務員の年収は、公務員法によって基準が定められています。そのため、年収には一定の限度があります。しかし、行政書士は独立すれば、公務員より大幅な年収アップが期待出来ます。
また、公務員は行政書士が扱う業務との親和性が高いです。独立後も公務員時代の業務経験を活かすことが出来ます。公務員から転身した行政書士は、未経験の状態から独立する行政書士より成功する可能性が高いと言えるでしょう。