合格することが難関と言われている弁護士の資格。今回は、弁護士資格を活かした就職先についてご説明させていただきます。

 

弁護士になるには

 まず、弁護士になるまでの道のりをお伝えします。弁護士のなるためには、以下の4つの関門を潜らなければなりません。

【第1関門】司法試験受検資格の取得
【第2関門】司法試験合格
【第3関門】司法修習所で研修
【第4関門】司法修習生考試(二回試験)合格

 表にすると以下のようになります。

 

司法修習生考試合格者の就職率

 近年の弁護士の就職活動は非常に厳しい状況となっています。司法制度改革により、司法試験の合格者が大幅に増員され弁護士人口が急増しています。人気の高い勤務地に挙げられる東京や大阪等の都市部での就職活動は簡単ではありません。地方での就職活動ですら難しくなっています。

 では、実際に司法修習生考試合格者の就職率はどれくらいなのでしょうか。

 2017年の「日弁連新聞」によると、司法修習生考試合格者のうち約200人が就職未定とのことです。この数字はどのくらいの割合で就職出来ていないということなのでしょうか。

 2016年12月25日の司法修習生考試に合格した1614名のうち1198人が、弁護士になるために必須の日弁連登録を済ませています。

 司法修習生考試合格者1614名のうち約200名が就職未定なのか、または、日弁連登録を済ませた1198名のうち約200名が就職未定なのかは確認が出来ませんが、いずれの場合の就職率を算出してみましょう。

司法修習生考試合格者数を基に就職率を計算
(1614-200)÷1614=87.6%

日弁連登録者数を基に計算
(1198-200)÷1198=83.3%

  いずれにせよ、司法修習生考試に合格しても、就職出来るとは限らないということが言えるでしょう。

 

司法修習生考試の合格者が法曹三者の職に就く割合

 将来、弁護士になることを目指している方の中には、まだ確定出来ず、法科大学院に進学したら法律家の道へ進まないといけないのではないか、と考える方はいるかもしれません。
 ですが、そうとは限りません。

 『71期(2018年)司法修習修了者のうち、法曹三者(弁護士・検察官・裁判官)の職に就いた人(組織内弁護士・独立を除く)は9割』(『https://www.jurinavi.com/market/shuushuusei/shinro/index.php?id=211』)です。

 この割合を見る限り、法科大学院に進学したからといって、法律家への道に進まなければならないとは限らない、と言えるでしょう。

 

法科大学院卒の就職先

 では弁護士としての就職先はどこがあるのでしょうか。

法律事務所

 まず、1番に挙げられるのが法律事務所で働くことです。

 法律事務所の多くは、1人または複数の弁護士や事務員(パラリーガル)から構成されている等、小規模です。一方で、約500名もの弁護士を抱える大手の法律事務所も存在します。

 規模だけでなく、法律事務所によって扱う案件の分野も異なります。刑事事件(刑法の適用によって処罰される事件)に強い事務所もあれば、民事事件(個人同士のトラブル等)を主に扱う事務所等、様々です。

一般企業

 近年では、「企業内弁護士」と言われる<span class=”fw-bold”>一般企業</span>の法務に従事する弁護士も増えています。
 日本組織内弁護士協会(JILA)の統計資料によると、2001年は『企業内弁護士66人・企業内弁護士を採用する企業数39社』(『https://www.nichibenren.or.jp/recruit/lawyer/inhouse/about.html』)に対して、2015年は『企業内弁護士1,442人、企業内弁護士を採用する企業数742社』(『https://www.nichibenren.or.jp/recruit/lawyer/inhouse/about.html』)と、いずれも約20倍に増加しています。

 増加している理由は、企業のグローバル化によって予防法務や戦略法務等の整備が求められるようになり、社内で働く弁護士のニーズが高まってきたためです。

 

教育機関

 大学の法学部や法科大学院、司法試験予備校等で学生に対する教育を行う弁護士も一定数います。
 教授職等の就き、専任で学生への指導にあたる人もいれば、本業の弁護士業務と兼任して、非常勤講師として週に数回、授業をする人などいて、働き方は様々です。

 また、若手の弁護士であれば、法科大学院の学生をフォローする「チェーター」をしたり、司法試験の模試や司法修習試験等の採点をしたりする人もいます。

法テラス

 法テラスとは、法的トラブルで困っている人から相談を受けたり、経済的理由から弁護士等への依頼が難しい人を支援したりする機関のことをいいます。法テラスは専属の「スタッフ弁護士」を採用しており、国選弁護事件や出張法律相談等を行っています。新卒採用の場合は、法テラスで働く前に一般の法律事務所で1年間のOJTが課されます。

独立開業

 また、弁護士としての経験を積むことで、<span class=”fw-bold”>独立して法律事務所を開業</span>するという選択肢が増えます。開業をすると、自身が得意な分野や取り組みたいもの等に絞って仕事が出来るのがメリットです。

 

SEEKでも弁護士を対象にした求人がある

 当サイトSEEKでも弁護士の求人をご用意しています。スカウトメール等の便利な機能もあるので、あなたに合った求人を探す手助けになってくれるでしょう。

 

最後に

 弁護士資格を保有していると、法律事務所や一般企業での勤務だけでなく、裁判官や検察官としてキャリアを積むことも可能です。
 弁護士資格を活かして、あなたが望むキャラアプランを実現させましょう。