“履歴書”は転職活動においては必須の書類です。そんな“履歴書”を、流れ作業的に淡々と作成をしている方はいませんか?

 しかし、採用担当者は、そんな履歴書一通を見て応募者の意欲や会社にとって必要な人材かどうかを見極めています。

 本記事では、“履歴書”の「志望動機」「学歴・職歴」といった項目別の基本的な書き方をはじめ、他の応募者と差をつけるコツをお教えいたします。

 

履歴書を書き始める前の「心構え」

 それではまず始めに、履歴書を書き始める前の心構えから5点お伝えさせていただきます。

 

心構え➀時間に余裕を持つ

 丁寧に書かれた履歴書は、第一印象がよいです。しかし、時間がない中で書かれた履歴書には、どうしても粗が目立ち、誤字・脱字等でも採用担当者にマイナスな印象を与えてしまいます。

 そのため、時間に余裕を持って履歴書の作成に取り掛かりましょう。

 

心構え②応募企業に合った内容にする

 履歴書は自分を売り込む書類です。その一通に自分の魅力を書き込まなければなりません。

企業に興味を持ってもらう履歴書にするためには、単に自分の魅力をアピールしているだけでは伝わりません。肝心なのは、応募企業が求めている人材を理解し、それに合わせたアピールをすることです。

そのため事前に、応募企業が求めている人材をリサーチしておくことも有効です。

 

心構え③自分に合った履歴書を選ぶ

 市販の履歴書やネットでダウンロード出来るテンプレートには、サイズや形式に違いがあります。

履歴書のサイズはA4B52種類です。企業から指定がある場合を除いては、どちらのサイズでも問題はありませんが、主流はA4です。

しかし、形式に関しては注意をしましょう。履歴書選びの際に、自分をアピールしやすい形式の履歴書であるかどうかの確認をしてください。

 例えば、「学歴・職歴」の欄が大きい履歴書の場合、就業経験が浅い方や学歴が気になる方は、書くことが限られてしまうため空白が目立ちます。このような方々は、「学歴・職歴」の欄が小さめの履歴書を選ぶとよいです。

 

心構え④文字の頭や余白を揃える

見栄えのよい履歴書は、採用担当者に「仕事が丁寧そう」という印象を与えます。

下記画像のように文字の頭や前後を揃えて、見栄えのよい履歴書を目指しましょう。

【「ふりがな」「氏名」「現住所」の文頭を揃える】

【「学歴」と「職歴」同じ位置に書く】

心構え⑤必ず見直しをする

 履歴書にミスがある場合、採用担当者に「仕事でも間違いをしそう」という印象を与えてしまいます。書き終えたら必ず全ての項目を見直しましょう。

 

履歴書作成の「NG」ルール

 次に、履歴書を作成する際のNGルールを3点ご説明させていただきます。

 

NG➀鉛筆・シャーペン、消せるペン、修正液の使用

 履歴書は入社後も使用する書類です。鉛筆やシャーペン、消せるペン(フリクション)では消しゴム等で消され、内容を書き換えられてしまう可能性があります。

そのため、履歴書は黒もしくは青のペンで書きましょう。ただし、青ペンがOKなのは万年筆のみとされているため、黒ペンを使用するのが無難です。その際はインクの滲みや、かすれに注意をしてください。

  また、ペンで書き間違えた場合に、修正液は使用しないようにしましょう。修正液を使った履歴書は、採用担当者に「書き直すことさえしない雑な人」というマイナスな印象を与えかねません。

  そのため、面倒でもミスをしたら最初から書き直しましょう。書き間違いを減らすオススメの方法は、事前に書く内容を整理した「見本の履歴書」を作成しておき、それを見ながら書くことです。

 

NG②空欄

 履歴書に空欄があると、採用担当者に記入漏れと受け取られてしまうことがあります。それを防ぐために、記入するものがない箇所には、「特になし」と記入しましょう。

 また、文末には「以上」と書くと、その下の部分が記入漏れではない、ということを示すことも出来ます。ですが、なるべく空欄がないように記入することで、やる気や誠意を感じる履歴書になります。

 

NG③履歴書の使いまわし

 返送された履歴書を、他の企業の応募に使いまわしすることは絶対にやめましょう。日付が古いままになっている履歴書は論外です。

 履歴書に記入する日付は、郵送なら投函日、持参するなら持参日を記入することが暗黙のルールなのです。

 

「基本情報欄」の書き方

 それではここからは、各項目の具体的な書き方に進みます。

 まずは、基本情報欄からご説明させていただきます。

 

基本情報欄➀日付

 年は、西暦(例:2017年)と元号(例:平成29年)どちらの表記でも構いません。但し履歴書全体で、西暦と元号のどちらかに統一をしてください。

 月日については前項でも触れましたが、郵送の場合は投函日、提出の場合は提出日、面接時に渡す場合は面接当日の日付を記入しましょう。

 

基本情報欄②写真

 写真は3ヶ月以内に撮影したものという指定が多いです。3ヶ月以上経った写真では、髪の毛の長さが違う等のギャップが生じてしまうかもしれません。

 そのようなギャップは、採用担当者に「写真の使いまわしをしているのではないか」と疑われてしまう可能性があるため、マイナスな印象を与えかねません。

 また、万が一剥がれて場合に備えて写真の裏には名前を記入しておくのもコツの1つです。

→写真を撮りに行く際は「こちらの記事」をご参考ください。

 

基本情報欄③氏名

 氏名は、姓と名の間にスペースを入れて書き、読みやすくしましょう。

 また、ふり仮名をふる際、上記画像の履歴書のように「ふりがな」と表記されている場合は、ふりがな(例:しゅうしょく たろう)で氏名を書き、「フリガナ」と表記されている場合は、フリガナ(例:シュウショク タロウ)で氏名の記入をしましょう。

 

基本情報欄④年齢

 「基本情報欄➀日付」で記入した日にち時点の年齢を書いてください。

 

基本情報欄⑤住所

 住所は、省略せずに都道府県から書いていきましょう。マンション等にお住まいの方はマンション名までしっかり記入をしてください。

 「連絡先」には、現住所と異なる場合のみ記入をします。それ以外は、空欄にせず「同上」と書き入れましょう。

 

基本情報欄⑥電話番号

 自宅の固定電話と携帯電話どちらの番号でも問題ありません。日中に連絡がつきやすい番号を記入します。

 

基本情報欄⑦メールアドレス

 稀に採用担当者から添付ファイル付のメールが送られてくることがあるため、パソコンのメールアドレスがよいです。

 

「学歴・職歴欄」の書き方

 採用担当者は、学歴や職歴から「自社で活躍出来る人材かどうか」を見極めます。

 以下のポイントを踏まえて「学歴・職歴欄」を記入していきましょう。

 

ポイント➀学歴

 学歴については、以下の書き方に注意して書いてください。

 

・年は、西暦と元号のどちらか統一

・学歴は原則、最終学歴の一つ前から記入(例:最終学歴が大卒の場合は高校から)

・学校名は省略せず正式名称で記入(例:「△△高校」ではなく「△△高等学校」)

 

ポイント②職歴

 学校名と同様、会社名も省略せず正式名称で記入しましょう。その際、上記画像のように、会社名の横、あるいは次の行に業種と従業員数を書き、簡単な職務内容を加えておくとよいです。

 こうすることで、採用担当者にとっては「どのような経験をしてきた応募者なのか」が一目で分かる文面になります。

 もし、応募企業に関連する職務経験がある場合は、その内容を強調して書くことがコツです。

 その他、職歴の書き方は以下です。

 

・企業の合併・買収等で社名が変更になっている場合は、〇〇株式会社(現□□株式会社)と記入

・現在働いている会社の退職日が決まっている場合は、「平成29年 8月 株式会社●● 退職予定」と記入

・最終行に「現在に至る」と記入し、次の行に右寄せで「以上」と記入

 

 また、職歴に書くことが多く記入しきれない場合は、以下の画像のように、社名と退職理由のみを記入し、職歴の最後に「詳細は職務経歴書に記載」と書くとよいです。

 

 

「免許・資格欄」の書き方

 「免許・資格欄」も、「学歴・職歴欄」と同様、企業にアピールが出来る個所です。特に応募企業に関連性が高い免許や資格を取得しているのであれば必ず記入しましょう。

 但し、応募企業に関連性が低い免許・資格を書いてしまうと、採用担当者に「この応募者は自社を理解していないのではないか」と疑問を抱かれてしまう可能性があります。そのため、応募職種で生かせるもののみを記入するのがコツです。

 その他、「免許・資格欄」の書き方は以下通りです。

 

・免許から先に記入

・「年月」は西暦か元号のどちらか統一

・資格の名称が変わっている場合は取得時の資格名で記入

・免許・資格は正式名称で記入

【よくある免許・資格の正式名称】

自動車免許 → 普通自動車第一種運転免許

英検 → 実用英語技能検定〇級

漢検 → 日本漢字能力検定

日商簿記 → 日本商工会議所簿記検定試験〇級

FP → 〇級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

「志望動機欄」の書き方

 採用担当者は、志望動機から「自社の独自性や強みを理解しているか」「なぜ競合他社ではなく自社なのか」等を見ます。

 そのため、応募企業のことをしっかりリサーチしてから書き始るようにしましょう。決して「貴社の社風に魅力を感じたため」等と曖昧な表現はしないようにしてください。

 自己PRを織り交ぜた上で、応募企業に貢献出来ることに触れた内容にしましょう。

 

「本人希望欄」の書き方

 採用担当者は、本人希望欄から応募者の人となりを見るため、自分をアピール出来る個所です。空欄にせず書き入れていきましょう。

 

本人希望欄➀趣味・特技

 趣味や特技は、面接時に採用担当者と話題になることがあります。そのため、興味がある程度でも構わないので記入しておきましょう。ただし、採用担当者に懸念を抱かれる可能性がある、ギャンブル等の趣味は書くことを控えた方がよいです。

 また、趣味を多く書くと、趣味を優先する応募者だと受け取られる可能性があります。実際に趣味が多いという方は、絞り込んで記入をしましょう。

 

本人希望欄②本人希望欄

 複数の職種を募集している企業の場合、希望職種を書いておくと丁寧です。待遇については原則、「貴社規定でお願いいたします」と記入しましょう。

 

本人希望欄③通勤時間

 一般的には、90分以内が通勤圏内と考えられています。応募企業が片道90分を超えており転居が可能な場合は、本人希望欄に「内定後速やかに転居可能」と記入し、意欲を示すとよいでしょう。

 

本人希望欄④配偶者の有無

 家族手当等、待遇面に影響することがあるため現在の状況に合う方に丸をつけましょう。

 例えば、恋人と10年以上同棲している場合は事実婚に該当するという説もあるため、家族手当を受給出来ることがあります。そのため配偶者「有」に丸を付けましょう。

 

まとめ

 履歴書は書き方によって、採用担当者に与える印象を左右する書類です。印象のよい履歴書を書くことで転職活動もよい方向に進みます。

 ぜひ本記事を参考に、“他の応募者と差のある履歴書”を作成し、転職活動にお役立てください。