「行政書士の仕事はきつい」と、まことしやかの囁かれています。なぜ、行政書士の仕事はきついと言われているのでしょうか。
本記事では、行政書士の仕事がきついと言われる理由について迫っていきたいと思います。
行政書士の仕事がきつい理由
行政書士の仕事がきつい理由は、以下が挙げられます。
【理由①】業務が多岐に渡る
業務が多岐に渡ることが行政書士の仕事がきついと言われる理由の1つです。
行政書士の仕事内容は、以下の2つです。
■許認可申請書類の代理作成・申請
■相談業務
具体的な、業務内容は以下の通り多岐に渡ります。
・官公署に申請する許認可申請書類…建設業許可、会社設立、帰化申請、風俗営業許可等
・事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む)…内容証明郵便、財務諸表、会計帳簿、風俗営業許可申請時に添付する店の配置図等
・権利義務に関する書類…遺言書、遺産分割協議書、示談書、会社定款等
・相続の手続き等、個人を対象にした相談
・企業の経営に関するコンサルティング
以上のように多岐に渡ることから取り扱う書類も幅広く、10,000種類以上といわれています。その業務の幅広さが行政書士の仕事がきついと言われる理由です。
【関連記事】行政書士の仕事内容をわかりやすく解説
【理由②】合格後も勉強が必要
開業時に必要な知識量は試験合格時の数倍と考えられています。そのため、行政書士試験に合格したとしても、業務を遂行する上での全ての知識は身についていません。合格後も、継続して勉強を行う必要があるのです。
【理由③】営業力が必要
行政書士はメインの書類作成だけでなく、顧客を獲得するための営業を自身で行わなければなりません。そのため、営業力が必要になります。
行政書士としての知識は十分あるにも関わらず、営業力不足で大変な思いをする方が少なくありません。なかには、廃業に追い込まれる方もいます。営業が苦手な方にとっては、行政書士の仕事はきついと感じるでしょう。
【理由④】”食えない”可能性がある
行政書士の平均年収は、『611万円』(『https://seek-job.jp/article/93279200』)です。611万円と聞くと、“食えない”数字とは言えません。
しかし、実は、ごく一部の年収の高い行政書士が、平均年収を大きく引き上げているのです。そのため、実態は“食えない”数字の行政書士が多いのです。
行政書士試験に合格して資格を取得したにも関わらず、”食えない”可能性があるという現実が、「行政書士の仕事はきつい」と言われる理由なのです。
【関連記事】行政書士の平均年収から見える現実:年収に大差がある理由とは?
【理由⑤】固定費が高い
行政書士の仕事をするためには、登録費や行政書士会への入会に際して約30万円、さらに月会費が7,000円かかります。
“食えない”可能性がある上に、会費がかかるのも行政書士の仕事がきついと言われる所以なのです。
【理由⑥】AIに仕事を奪われる
行政書士はAIに仕事を奪われる、とまことしやかに囁かれています。
実際、電子申請の導入により、行政書士の手が不要になったケースがあります。そのようなケースは、今後も増えるかもしれません。
将来性に不安を感じる方は少なくないのではないでしょうか。
【理由⑦】就職出来ない
行政書士は、開業するだけでなく行政書士事務所に就職する方法もあります。
行政書士事務所の多くは、個人事務所です。そのため、人を雇う行政事務所の方が少ないのです。
そのような事情があるため、当然、行政書士を募集する求人数も少なくなります。そのため、行政書士の働き口の1つである行政書士事務所に就職することが難しいのです。それも、行政書士の仕事はきついと言われる理由なのです。
【関連記事】就職できないは嘘!30代未経験の行政書士でも就職先はある
行政書士のやりがい
これまでは行政書士のきつい理由についてお伝えしました。しかし、行政書士の仕事はきついだけではありません。その反面、大きなやりがいを感じる仕事でもあります。
具体的に、以下のようなやりがいがります。
【やりがい①】自分らしく仕事が出来る
行政書士のやりがいの1つに、「自分らしく仕事が出来る」が挙げられます。
既述の通り、行政書士の仕事が多岐に渡ります。そのため、行政書士によって仕事のやり方が異なります。その分、自身で考えた最良の方法で仕事をすることが出来るのが特徴です。
つまり、自分らしく仕事が出系ることが、やりがいに繋がるのです。
【やりがい②】クライアントから感謝される
行政書士の仕事は、基本的に困っている人へ手を差し伸べる仕事です。
例えば、相続に関して何から手を付けていいのか分からない人がいるとします。行政書士は、そのような人に対し法的観点からサポートをすることが出来ます。多くの方は法律の知識をもっていないため、何から手を付けてよいのかさえ分かりません。そのような方にとっては、法的サポートをしてくれる行政書士の存在はありがたいと感じるでしょう。
そのため、行政書士はクライアントから感謝をされます。それが、行政書士のやりがいに繋がります。
まとめ
行政書士の仕事がきつい理由をご理解いただけたでしょうか。
行政書士の仕事は確かにきついことが多いです。しかし、その分のやりがいもあります。
インターネット上には、行政書士の仕事がきついという意見の方が目立ちますが、その陰では、やりがいを持って行政書士の仕事を行っている方がいるのも事実です。
行政書士を目指すかどうか迷っている方は、きついという意見だけを聞き入れるのではなく、やりがいも考慮して検討する方がよいのかもしれません。