事務職への転職を考えている人の中には、履歴書に志望動機を書く際、このように悩んだことがある方がいるのではないでしょうか?
「志望動機が特にないからどう書けばいいか悩む」
「未経験だからアピールするものがない」
「事務関連の資格を持っていないから書くことが思いつかない」
確かに、本音は「家から近いから」「残業が無さそうだから」「楽そうだから」という理由で事務職を志望するという方もいるかもしれません。とはいえ、そのような本音を志望動機に書くと、不採用になるおそれがあります。
では、どのように書くのがよいのでしょうか。実は志望動機の書き方にはコツがあるのです。
そこで本記事では、事務職への転職に有利な志望動機の例文を、書き方も交えてご紹介させていただきます。
事務は企業によって仕事内容が異なる
事務の仕事は、一般的に書類作成や電話・来客応対、データ集計等が挙げられます。但し、企業によって、その仕事内容は異なるのです。
基本的にはデスクワークが中心になるものの、事務経験のある方が、他の企業の事務に転職をした場合、業務内容がガラリと変わるといった事例は往々にしてあります。
志望動機の書き方
志望動機を書く際は、以下3点を念頭に置いて書くとよいです。
書き方➀「なぜ貴社なのか」を明確にする
どの会社にも言えるような「正社員になりたいため」「福利厚生がしっかりしているため」等の志望動機は、採用につながりにくくなります。
事務職の志望動機には、数ある企業の中から「なぜ貴社なのか」が明確に分かる志望理由を書くことが大切です。そのためには、企業の事業内容や社風、ビジョン等、事務業務外の部分まで企業研究することは欠かせません。
書き方②「求める人材像」をチェックする
事務職はスキルが高いだけでなく、企業が求めている人物像であるかどうか、という点も重要になります。そのため、企業のホームページ等で「求める人物像」をチェックし、それに沿った志望動機を考えることが肝心です。
書き方③コミュニケーション能力があることをアピール
事務職はデスクワークが中心ではあるものの、実はコミュニケーション能力があるかどうかという点が採用を左右します。というのも、事務職は電話・来客対応等、人と接せる機会があります。また、時には同僚のサポートもしなければならない場面もあるのです。
ある某企業の採用担当者はこのように言っています。
「事務は、色々な仕事の隙間を埋めるようなポジションになることも少なくないため、コミュニケーション力も重要ですね。事務志望の方には、自分の業務を踏み越えて、相手の仕事内容や業務状況等を学びに行く姿勢を持っておいて欲しいです。」
企業活動が多様化する中で、このようにコミュニケーションをとって仕事に取り組める事務職の人材を、会社は求めているようです。
志望動機の例文
以上3点を踏まえて、様々なシーンに合わせた志望動機の例文をご紹介します。
未経験やキャリアが浅い場合
事務職が未経験やキャリアが浅い場合は、前職の経験が事務にどのように活かせるかを明記しましょう。また、自分がいかに事務職に向いているのかを交えて書くとグッドです。
例文は以下になります。
未経験➀販売職から事務職への転職
以前は、販売職に就いていました。販売業務を行う中で、データ管理の重要性やコミュニケーションの大切さを学びました。その他にも、POPの作成や顧客管理等の業務も併せて行っていたためパソコンスキルについても自信を持っております。
現在は、情報処理の資格を取得するために勉強に励んでおります。事務職の経験はありませんが、前職はコミュニケーション能力の高さが求められる職業だったため、電話対応等に活かしていきたいです。
未経験②営業職から事務職への転職
貴社が展開しているWebサービスをバックアップしたいという思いから事務職を志望致します。前職では、法人営業を1年ほど経験しましたが、その際に培ったコミュニケーション力は事務職においても、必ず役に立つと思っています。特に御社のような大きな組織体制で運営している企業においては、各部署との調整が重要になると思います。そのため、営業での経験を存分に発揮することで御社の成長に貢献出来たら幸いです。
未経験③コールセンターサポートから事務職への転職
前職では、コールセンターでお客様からのIT/システム分野の問い合わせ対応を5年ほど担当していました。お客様1人ひとりのニーズを素早く察知し、先回りしながら最善なアドバイスをすることを心掛けていた経験は、多くの部署からの要望を受け止めて臨機応変に対応していかなければならない事務職においては、大いに活かせると感じています。
未経験④第二新卒
経験は少ないですが、前職では事務職としてWordやExcelを使用し、契約書類の作成に携わっていました。幅広く業務がある貴社で働けば、現在の職場以上に事務職として会社に貢献出来るのではないかと考え、このタイミングで転職を決意しました。チームの一員として一日でも早く職場に馴染みスタッフ全員のサポート役として信頼していただけるよう、様々な仕事をしながら会社に貢献したいと考えております。
未経験⑤事務職のスキルを身につけたい
これまで接客業の仕事をしてきました。転職して今後は、事務や総務といった接客以外のスキルを身につけたいと思い、事務職を志望致しました。前職での経験を活かして、一日も早く御社の戦力になれるように頑張ります。
未経験⑥コツコツとした作業が好き
前職は違う業界にいたため事務は未経験ではあるものの、元々パソコンでコツコツとやる作業が好きなため興味を持ちました。御社は研修制度も充実しておられますから、経験を積み、いち早く即戦力となり、お役に立てるように早く成長していきたいと思います。
事務職経験者の場合
事務職経験者の場合は、これまで担当してきた業務内容を整理しましょう。そして、即戦力として企業に貢献出来ることを以下の例のように伝えるのがよいです。
経験者➀スキル向上を目指す
以前より幅広い事務業務に従事したいと考えており、簿記3級と秘書検定を取得しました。前職でも事務として働いており、電話・来客対応やExcel・Wordを使用した資料作成を担当していました。
前職での経験を生かし、スキルを向上したいと考えて応募させていただきました。前職で身についた事務のスキルを活かし、御社の役に立つ社員を目指していきたいです。
経験者②前職の経理事務を活かす
私は几帳面な性格で、慎重に仕事に取り組みます。以前経理事務として働いていた時は、正確・迅速・丁寧を心がけていました。その結果、来客・電話応対や資料作成等の業務をスムーズに進めるようになりました。
資格は、パソコン検定〇級(もしくはMOS)を取得していることからタッチ、タイピングが得意です。今回、貴社の求人を拝見し、私の能力や保有している資格を活かせると思い、志望致しました。
経験者③前職の総務事務を活かす
私は前職で約1年間総務の業務に取り組んできました。電話応対ではゆっくり話すようにすることで、お客様から「ハキハキと聞き取りやすく、色々頼みたくなる」との評価を受けました。
またパソコンのスキルにおいては、入力の正確さやスピードの向上を目指して、日々努力を重ね、同じ時間で1.3倍の業務をこなせるようになった経験があります。
貴社に採用された折にはこの2点を強みにし、私は事務職という面から事業に貢献しつつ、自分自身としても成長したいと考えております。何とぞ宜しくお願いいたします。
経験者④前職の一般事務を活かす
私は地道な作業が得意で、前職の一般事務では「効率よく、丁寧に、正確に」をモットーに仕事をするよう心がけております。Word、Excelの資格を取得しており、前職では周囲と協力して仕事をしていく重要性も学びました。
少しでも早く貴社の仕事を覚え、一人前の事務員として貢献出来るように努めていきたいと思います。
自分の性格や特性をアピールする場合
自分の性格や特性が事務職に合っている場合は、それをアピールポイントにして以下のように志望動機を書くとよいでしょう。
性格・特性➀サポート力をアピール
私は一緒に働く仲間が仕事をしやすいようにサポートする事務職が向いていると思い、一般事務職を志望致しました。迅速に事務処理を行い、会社に貢献出来るように考えながら働いていきたいです。業務上のスキルアップに必要な勉強についても努力を惜しみません。パソコンスキルを上げるため、毎日のタイピング練習を続けたことで、仕事の質を上げることにつながりました。事務のエキスパートとなれるよう一生懸命頑張ります。
性格・特性②数字好きをアピール
私は、学生時代に数字が得意だったことから、経理の仕事に就きたいと思い、簿記のスクールに通い資格を取得しました。その後は、経理事務職に就き、給与計算の業務を行っていました。そんな中、仕事の幅を広げたいという気持ちが芽生えたことから前職を退社致しました。御社ではこれまでの経験を活かし、さらに多くの事務業務を学び経験を積んでいきたいと思っています。
性格・特性③淡々と作業をするのが好きなことをアピール
私は淡々とした作業が好きで事務職に向いた性格であるという自負があります。業務は迅速かつ正確で丁寧な仕事を心がけています。
また、「痒いところに手が届く」行動が得意で営業スタッフをサポートしていく自信があります。なるべく早く貴社の仕事を覚え、貢献出来るよう努力致します。
まとめ
志望動機は、採用担当者にとって「採用するかしないか」の最後の一押しになります。そのため、志望動機によって合否は大きく左右してくるのです。
ぜひ本記事の例文を参考に、あなたに合った志望動機を書いてみてください。
また、履歴書や職務経歴書の書き方について詳しく説明をしている記事もありますので、そちらも併せてご覧ください。