法律関係の仕事を目指そうとしている方の中には、「司法書士とパラリーガルの違いは何?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。両者は混同されがちですが、実は大きな違いがあります。
そんな似て非なる司法書士とパラリーガルの違いについて解説させていただきます。
司法書士とパラリーガル
まず、司法書士とパラリーガルについて、それぞれご説明させていただきます。
司法書士とは
司法書士とは、個人や企業等から依頼される、法律に関する書類作成や法的手続の代行を生業にしている方を指します。例えば、起業や土地購入の際の登記手続の代行等が挙げられます。
パラリーガルとは
対して、パラリーガルとは弁護士の業務をサポートする人のことをいいます。別称「法律事務職員」とも呼ばれています。パラリーガルの主な業務は秘書業務や法務のサポートです。
司法書士とパラリーガルの大きな違い
同じ法務を仕事にする司法書士とパラリーガルですが、1つ大きな違いがあります。それは、司法書士は資格を取得しないと就くことが出来ませんが、パラリーガルは無資格でもなれる、ということです。
司法書士になるには
司法書士になるには、国家試験である司法書士試験に合格する必要があります。近年、司法書士試験の合格率は3%前後で推移していることから、難関資格と言われています。
パラリーガルになるには
パラリーガルになるには、法律事務所に勤務する方法がいちばんに挙げられます。資格は必要ありませんが、未経験者より経験者の方が優遇される傾向にあります。
ただ、未経験者に対しては、スタートは専門知識が問われない秘書業務をメインに担当してもらい、徐々に法務を任せられるというケースが少なくありません。
つまり、資格だけでなく、専門的な知識やスキルを持っていなくてもなれるのがパラリーガルなのです。
司法書士とパラリーガルの年収の違い
資格を必要とする司法書士と、無資格でも就けるパラリーガルでは、やはり年収に違いがあります。
司法書士の年収
引用元:http://heikinnenshu.jp/shi/shihou.html
「平均年収.jp」によると、司法書士の年収は上記のグラフのような平均年収の結果が出ています。最も多いのが50~54歳の756万円、最も年収が低い年代が20~24歳の359.1万円 です。
パラリーガルの年収
一方、パラリーガルの年収は正社員かアルバイトによって変わります。
正社員の場合
正社員のパラリーガルの年収は初年で約250万円、長期に渡って勤務をすると最終的には500万円程度まで上がる場合があります。これは経験をすることでスキルが身につき、パラリーガルとして専門性の高い法務をこなせるようになるためです。
アルバイトの場合
パラリーガルは非正規のアルバイトからスタートすることが多いのが特徴でもあります。理由は、業務の性質上、機密情報を扱うことが多いため、始めから正社員としての採用に抵抗を感じる法律事務所が多いのです。
アルバイトのパラリーガルは時給800~1300円程度が相場です。大手の法律事務所は時給が高い傾向にあります。
両者を比較すると、司法書士の方が高い年収水準であることがうかがい知れます。
パラリーガルから弁護士・司法書士・行政書士へ
司法書士の方が年収は高いですが、パラリーガルにも利点があります。そう、今後に活かす経験が出来る、とうことです。
事実、アルバイトからパラリーガルをはじめて、知識やスキルを身に付け、弁護士や司法書士、行政書士といった国家資格を取得し、より専門性の高い仕事を行うパラリーガルも多くいます。
また、パラリーガルの経験を経て、弁護士や司法書士、行政書士になる方も少なくありません。
終わりに
一見同じように見られる司法書士とパラリーガルですが、本記事で両者の違いがお分かりいただけましたでしょうか。
法律関係の仕事を目指そうしている方にとって、有益な情報になっていただけたら幸いです。
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