「行政書士資格を持っていると転職に有利に働くの?」
行政書士資格の取得を検討している方の中には、そのような疑問をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。行政書士資格を持っていると転職に有利に働くかどうかについてお伝えします。
士業の国家資格で知明度も高い行政書士。本記事では、行政書士資格が転職に有利の働くかどうか、をテーマにお伝えします。
行政書士資格を持っていると転職に有利
行政書士資格を持っている人は独立開業をするケースが少なくありません。その一方で、転職活動の武器として行政書士資格を取得する方も存在します。
では、行政書士資格を持っていると、転職活動でどのように役に立つのでしょうか。
行政書士の資格を保有していると、民法や行政法等の知識を持っている証明になります。また、官公庁に提出する書類の代行を行うことも可能です。
企業の法務部や総務部では、そのような人材が必要とされています。そのため、行政書士の資格を持っていると転職希望先から評価される傾向にあります。
行政書士資格を活かせる仕事先
では、行政書士資格はどのような仕事に活かせるのでしょうか。具体的に、以下のような仕事先で行政書士資格を活かすことが出来ます。
【仕事先①】行政書士事務所
まず挙げられるのが行政書士事務所です。行政書士事務所で雇用されている行政書士は、使用人行政書士と呼ばれています。
開業行政書士と異なり、使用人行政書士は雇用されているため、安定した収入が保障されています。
ただし、使用人行政書士として仕事をするためには、開業行政書士と同等の事務処理能力を求められます。そのため、経験者の方が優遇される傾向にあります。未経験の方は、行政書士試験の点数がアピールするのが一手です。高得点の人は、それをアピールするとよいでしょう。
【仕事先②】法律事務所
法律事務所では、行政書士資格を活かして、法令の調査や書類作成等の仕事を行います。行政書士を持っているので即戦力を求められる傾向にあります。
法律事務所の場合、行政書士資格を保有していたとしても、事務スタッフとして就職・転職することも可能です。
【仕事先③】一般企業の法務部・総務部
一般企業では、自社の商品の開発や販売等の過程で、官公署への許可申請に手続が欠かせません。その際に、法務書類の作成が必要になります。そのため、一般企業の法務部の求人情報を見ると、法律の知識を持っている行政書士資格保有者を歓迎している傾向にあります。
小規模の一般企業では、法律関連の手続き全般の手続を専門的に担う正社員として、行政書士を募集しているケースが多いです。正社員だけでなく、パートの行政書士を募集していているケースもあるので、子育てや介護しながら働くチャンスもあります。
一般企業は、法律事務所より規模が大きいケースが多いです。そのため、採用人数も多く比較的、入社しやすいと考えられています。
行政書士の求人は少ない
以上の通り、仕事先は幅広いですが、行政書士資格の保有者を募集している求人情報は、少ないです。
というのも、行政書士資格を活かせる就職先の一部は、紹介で行政書士を探しているケースが多いためです。
そのため、転職希望者は知り合いの行政書士に情報収集をする等して、自身で行動する必要があります。
また、転職エージェントに登録する方法もあります。転職エージェントに登録すると、非公開の求人を紹介してくれる可能性があるためです。
「20代でないと行政書士は転職できない」は嘘!
令和元年度の行政書士試験の合格者の割合は、『10代が45人、20代が862人、30代が1,215人、40代が1,229人、50代が846人、60歳以上が374人』(『https://www.agaroot.jp/gyosei/column/pass-rate/』)です。合格者が1番多いのが40代、2番目に多いのが30代なのです。そのため、行政書士試験に合格し、資格取得後に就職する30~40代が多くいます。
しかし、ネット上の情報に目を向けてみると「20代でないと行政書士事務所に就職できない」「30、40代で未経験向けの求人はない」等、マイナスな意見が散見されます。ですので、30歳を超えて行政書士試験に合格し、就職をしようとしている人は不安に駆られている方は多いのではないでしょうか。
しかし、就職は出来るので安心してください。就職市場を見てみると、30代以上で未経験を募集している求人はあります。
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司法書士資格とダブルライセンス
行政書士資格は、ダブルライセンスにしやすいのが特長です。
ダブルライセンスとは、複数の資格の保有を活かして、業務の幅を広げることを指します。
行政書士資格の保有者は、司法書士資格も取得して、行政書士と司法書士のダブルライセンスの人が少なくありません。というのも、行政書士資格と司法書士資格のダブルライセンスは相性がよいためです。
行政書士と司法書士は、いずれも法務を生業にしています。しかし、法務と一口に言っても、行政書士と司法書士では扱う分野が異なります。そのため、行政書士と司法書士、両方の資格を保有していると、幅広く法務を扱うことが出来るのです。
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