「高卒(中卒)だから行政書士になれない」と諦めている方もいるのではないでしょうか。 確かに国家試験の受験資格は、学歴を問われるケースが多いです。では行政書士試験はどうなのでしょう?
本記事では「中卒・高卒の人が行政書士になるには」をテーマにお伝えしていきたいと思います。
中卒・高卒から行政書士になれる?
行政書士になるには、上記画像のようなルートがあります。弁護士や弁理士等の士業の方と、国家・地方公務員として行政事務に17年以上従事した人を除いて、多くの人は行政書士試験の合格を目指します。
【関連記事】行政書士になるには大きく分けて2通りある
【関連記事】公務員は行政書士試験が免除される!その理由とメリットとは?
行政書士試験の受験資格は、学歴不問です。そのため、中卒や高卒の方でも、行政書士試験に合格することで行政書士になることが出来ます。
中卒・高卒だと不利?
とはいえ、中卒・高卒だと行政書士試験の合格は不利なのではないか、とマイナスに考える人は少なくないのではないでしょうか。
実は、行政書士試験は、司法書士試験や税理士試験と比較すると、合格率で見る限り難易度が低いと考えられます。それについては、こちらの記事『行政書士試験の難易度は「偏差値」と「合格率」から見えてくる』で詳しく説明をしています。
ですので、大卒者とのハンデは比較的少ないと考えられます。というのも、行政書士試験の受験者には、法学部出身の人が少ないためです。つまり、多くの人は法律初学者なのです。
ただ、大卒の人の方が効率的な勉強方法を知っている傾向になります。効率的な勉強をすることにおいては、大卒の人に一日の長があるかもしれません。
合格するための対策
中卒・高卒の方が行政書士試験に合格するためには、どのような対策をすればいいのでしょうか。
【対策①】資格スクール
資格スクールに通って、法律を一から学ぶのが望ましいです。資格スクールに通うと、効率的に勉強が出来るというメリットがあります。社会人の方は、勉強時間は夜に限られるでしょう。
そのような方は、夜間に実施されている資格スクール講座を受講することをオススメします。
【対策②】通信講座
スクールへの通学が困難な方は、比較的安価で、場所と時間を問わずに学習が出来る通信講座がオススメです。
前出の通り、中卒・高卒の方は大卒者より効率的な勉強が出来ない傾向にあります。そこで、通信講座を利用し、効率的な学習を行います。
行政書士試験の合格を目指す際の注意点
ここで中卒・高卒の方が行政書士試験の合格を目指す際の注意点をお伝えします。
【注意点①】独学は避ける
独学で行政書士試験の合格を目指すのは避けましょう。前出の通り、中卒・高卒の方は効率的な勉強方法を知らない傾向にあります。
効率的な勉強方法を知らない方が独学で勉強をすると、要点を外した学習をする可能性が高いです。それを避けるためにも、既出で挙げた資格スクールや通信講座を利用した勉強をするのがベターです。
実際、独学で不合格だった方が、次年に通信講座を利用したら合格出来た例があります。それだけ、効率的な勉強は、合否を大きく左右するのです。
【関連記事】行政書士試験が独学で合格できる?独学の場合の勉強法を解説
【注意点②】行政書士登録は20歳から
行政書士試験の受験資格は、学歴だけでなく年齢も不問です。しかし、行政書士になるために行う行政書士会への登録は20歳からになります。
未成年で行政書士試験に合格した方は、20歳になるまで、行政書士として活動することが出来ません。
未成年で合格した方は、行政書士補助者や行政書士事務所の事務員として実務経験を積んで20歳までの期間を過ごす方が多いです。
【注意点③】行政書士資格の取得後も勉強が必要
行政書士資格を取得したとしても、それはあくまで行政書士として必要最低限の知識を身につけたに過ぎません。
行政書士の業務範囲は広いです。対応出来る案件を増やすためには、継続的に勉強を行い、知識の幅を広げていく必要があるのです。
【注意点④】学歴が就職活動時の足かせになる
行政書士は、独立開業が可能な資格です。しかし、実務経験のないまま独立開業すると、経験不足が原因で失敗する可能性が考えられます。多くの方は資格取得後、行政書士事務所に就職し、実務経験を積みます。
その就職活動の際、最終学歴が中卒や高卒だとネックになる場合があります。
学歴社会ではなくなっていると言われている昨今でも、依然として学歴を重視する事務所は存在します。
学歴が足かせになり、希望する行政書士事務所に就職出来ない可能性があることも念頭に置いておきましょう。
終わりに
中卒・高卒の方でも行政書士になれることを理解いただけたでしょうか。ただ、そのためには対策や注意点があります 本記事では、その対策と注意点について解説させていただきました。中卒・高卒の方で行政書士になりたい方は、それらを留意した上で行政書士試験の合格を目指しましょう。